真空ポンプの修理 vs. 買い替え：手引き

基本事項

修理あるいは買い替え、どちらにするかの判断は、常に点検と診断から始まります。真空ポンプサービスの訓練を受けたエンジニアが装置を点検し、問題を特定します。

修理

真空ポンプが修理可能な場合は、故障した部品を取り外して交換し、ポンプをメーカー仕様の状態に戻します。

メリット

デメリット

買い替え

真空ポンプを買い替える場合、既存のポンプを取り外し、新しいものを取り付けます。

メリット

デメリット

重要な考慮事項

真空ポンプの修理、または買い替えを決める前に、評価すべき5つの基準があります。

1)コスト

既存の真空ポンプの問題が軽微であれば、修理が経済的な選択肢かもしれません。しかし、長期的なメンテナンスと修理コストも考慮する必要があります。例えば、真空ポンプが古くなればなるほど、頻繁なサービスが必要になる場合があります。このため、直ちに多額の出費が必要ではなくとも、時間が経てば買い替え以上に費用が膨らむ可能性があります。

2)プロセス要件

既存の真空ポンプが、プロセスに最適な選択肢であるかどうかを評価します。真空ポンプが常にフル稼働していたり、需要を満たすために予備ポンプがいつも起動している場合、そのプロセスに対するポンプの能力が不足している可能性があります。したがって、買い替えは合理的なオプションです。これにより、製造の遅延を回避し、最適な品質と性能を維持することができます。

3）サービス履歴

以前にも同じ問題が発生しましたか? 過去のサービス内容を確認してみてください。シール、ガスケット、ベーンといったスペアパーツの交換など、定期的なメンテナンス作業なら心配する必要はないでしょう。しかし大きな問題が繰り返し発生する場合、修理は最善の選択肢でない恐れがあります。

4)エネルギー効率

多くの新世代の真空ポンプは、従来品よりエネルギー効率に優れています。従って、既存の真空ポンプを、より消費電力の少ないものに交換することの利点を、考慮に入れる必要があります。既存の真空ポンプと最新テクノロジーの消費電流の差によっては、エネルギーコストが大幅に削減される可能性があります。そして、カーボンフットプリントも。

5)技術的特徴

既存の真空ポンプは旧式でないか、考えてみてください。最新の真空ポンプは、お客様のプロセスに有益な、新しい技術的特徴を備えているのでは？それなら投資に最適なタイミングかもしれません。改造という選択肢も考えられます。既存の真空ポンプにいくつかの機能、例えばECOTORQUE 可変速度ドライブや、真空ポンプのインテリジェントなモニタリングのためのOTTO デジタルサービスを追加することが可能です。これにより、新しいシステムに投資せずにアップグレードできます。 ただし、ご使用のポンプの年式によっては、これらの新しい機能と互換性がないものもあります。その場合、改造によるプロセスの最適化がかないません。お客様とお使いのプロセスに何が重要か、考えてみてください。その答えによって、修理と買い替えのどちらを選ぶべきか、判断ができるでしょう。

よくあるトラブルの診断と対策

真空ポンプが前触れもなく故障することは稀です。しかし、問題の前兆を発見するのは難しいものです。定期的なメンテナンスが最初のステップです。一般的には、早期に発見した問題は修理も簡単です。また、よくあるトラブルや、真空ポンプの故障の兆候について理解することも、役立ちます。


このような問題の診断と対策は、真空ポンプの専門知識を持ったサービス業者や技術者へのご相談をお勧めします。これらの問題を迅速に解決することは、真空ポンプ修理の費用対効果を高め、ダウンタイムのリスクを最小限に抑えるために非常に重要です。OTTO -デジタルサービスなど、インテリジェントなモニタリングシステムへの投資を検討してみても良いでしょう。各真空ポンプの性能データが継続的にモニタリングされ、異常があれば通知されます。

実例：修理と買い替え、どちらにするか

食品包装プラントでは、真空ポンプの性能が食品や飲料の品質と保存期間に影響を与えます。その大切な真空ポンプの騒音が大きくなり、排気速度が低下し、結果的に製造の遅延につながりました。

入念な点検の結果、真空ポンプ修理業者は、リークがトラブルの原因だと判断しました。真空ポンプは稼働を始めて数年が経っていましたが、問題が発生するのはこれが初めてです。初期症状は深刻なトラブルに思えましたが、簡単な修理で解決できました。このケースでは、真空ポンプの修理が最も合理的な選択肢でした。サービスエンジニアが摩耗したシールを交換すると真空ポンプは復旧し、また稼働を始めました。

結論

真空ポンプが正常に動作していない場合、対策の選択肢は慎重に検討しましょう。まずは真空ポンプの修理業者に相談し、適切な検査と診断を実施します 修理した場合の効果、性能、費用（その時点だけでなく将来的な費用も含め）と、新しい真空ポンプを購入した場合の費用も比較します。そうすることで、最適な判断を下すことができます。最終的には、お客様の生産プロセスにとって最も費用対効果が高く、有益なものは何かを考えた決定がなされるべきです。

これらをご自身で評価するのは難しい場合もあるでしょう。そんな時は、Buschが喜んでお手伝いします。当社のスペシャリストがお客様を訪問し、機器を評価し、将来に向けたアドバイスをいたします。最終的にお客様がどのような決断をされても、当社は修理、買い替え、どちらもご提供可能です。さらに安心してご利用いただくために、サービス契約、インテリジェントなIoTソリューション、遠隔監視で管理をお任せいただくことも可能です。真空の世界で60年の経験を持つ当社が、お客様の真空供給を守ります。詳細はお気軽にお問い合わせください。お客様の真空装置を最適な状態に回復させます。