プロセスに送気が必要な場合、ブロワーとコンプレッサーの選択肢があります。違いは圧力:コンプレッサーは、空気を小さなスペースに圧縮し、空気をより高密度にします。一方、ブロワーは圧力をわずかに上げ空気を送り出すだけの装置です。結果として、ブロワーの圧力比はコンプレッサーよりもはるかに低く、より安価で運転時のエネルギー効率も高くなります。高圧のソリューションが必要な場合は、コンプレッサーの情報をご覧ください。
ブロワーの動作原理
簡単に言えば、ブロワーは空気を閉じ込めて圧力を上げ、それを放出する装置です。正確な動作原理は、ブロワーのタイプによって異なります。産業用ブロワーのタイプ

ルーツブロワー
ルーツブロワーは容積式ブロワーの一種であり、ルーツ原理で動作します。低圧で大風量を発生させることができます。円筒形のハウジングの内部には、2本のローブローターが並列に配置されています。ローブローターは3葉で互いに反対方向に回転します。ローブローターの回転により、ローブとハウジングの間の空間に空気やガスを捕捉し、排気口に移送します。排気口では、圧力が高まった状態で空気が放出されます。
サイドチャネルブロワー
サイドチャネルブロワーは、回転するインペラーの運動エネルギーを空気またはガスに伝え、それを圧力に変換します。インペラーはモーターシャフトに取り付けられています。そのインペラーと特殊形状のハウジングが組み合わさり、サイドチャネルを形成します。空気やガスはサイドチャンネルに吸い込まれ、圧縮されます。1段式のサイドチャネルブロワーでは、空気やガスが1回転して排気されますが、 2段式では、それがさらに第2ステージに移送されます。そして第2ステージで再度圧縮された後に排気されます。このため、より高い差圧が得られます。
サイドチャネルブロワーは、風量を調整可能です。圧力はルーツブロワーよりも低く、ファンよりは高くなります。
ブロワー選択時の技術的な検討項目
お客様のプロセスにどのブロワーが必要であるかを判断するには、お客様のアプリケーションを徹底的に分析することが何よりも重要です。検討すべき主な要素は次のとおりです。
風量と圧力
プロセスに必要なだけの圧力を生成するブロワーを選択することをお勧めします。そうすることによってエネルギー消費量が抑えられ、効率が上がるため、大容量で稼働するブロワーやコンプレッサーよりも運転コストが低くなります。
運転条件
ブロワーの置かれる環境が選定に影響を及ぼす場合もあります。製造フロアにスペースがほとんどない場合は、設置面積の小さなテクノロジーが理想的です。他にも、ほこり、湿度、熱といった要素も考慮する必要があります。
初期費用と ROIの比較
購入価格が最安値だからといって、運用コストも低いとは限りません。購入するブロワーを決める際には、初期投資とライフサイクル全体にわたる運転コストの両方を考慮して、最大限のROIが得られるようにしてください。エネルギー効率がポイント:エネルギー効率の高いテクノロジーは初期費用が高くなる場合がありますが、長期的にみるとエネルギーコストの削減につながります。
騒音値
ブロワーが設置されるのは、人がそばにいるような場所でしょうか?人と近い場所に置く場合は、快適な作業環境を維持するために、より静かなブロワーが必要となります。Buschのブロワーにはサイレンサーが内蔵されているため、作業現場に設置することも可能です。設置コスト面でも利点があります:防音対策を施した特別な設置場所や長い配管が不要となります。
サービスとサポート
お使いのブロワーに必要な整備と、メーカー提供のサービスレベルについて。一部の古いブロワーテクノロジーでは、整備や修理、改修のために機械をメーカーに返送する必要がある場合があります。その場合は結果として長期間のダウンタイムが発生します。Buschのブロワーは、終身潤滑ベアリングと非接触式インペラーなど、メンテナンスの手間のかからないコンポーネントを採用しています。これにより、毎年の整備が最小限に抑えられます。ブロワーの主な用途
さまざまな産業用途で、低圧の圧縮空気が必要とされています。それには、空気輸送、廃水処理、および水産養殖などが含まれます。-
水産養殖/養殖場
水産養殖産業では、さまざまな用途でブロワーとコンプレッサーを使用しています。たとえば、水質の維持、給餌システムへの動力供給、エアーカーテンの生成、または養殖場内の在庫の移動などに使用することができます。これらのプロセスの多くは、不純物を含まないオイルフリーの空気を供給できるブロワーを必要としています。
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空気輸送
空気輸送は多くの製造プロセスで採用され、乾燥したバルク材や粉体などをパイプラインを通じ搬送するのに使われています。詳細をご覧ください。
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廃水処理
好気性廃水処理施設では、数百万もの生きたバクテリアと微生物を利用して有機廃棄物を処理し、二酸化炭素、窒素、およびきれいな水に分解しています。これらのバクテリアが生存するには、信頼性の高い安定した酸素供給が必要です。エアレーションタンクには、常にブロワーからクリーンな空気が供給されます。
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排煙脱硫
石炭火力発電所というのは、適切なシステムを導入しなければ、有害な二酸化硫黄を大気中に放出することになります。しかし、ブロワーを利用すると、排煙からその有害物質を取り除き排出量を減らすとともに、各国の環境基準を満たすことが可能です。このアプリケーションでのブロワーは24時間稼働するため、実質的にダウンタイムゼロで運転でき、信頼性の高い安定した空気の供給が可能な製品が必要となります。
FAQ
ブロワーの仕組み
ブロワーは空気圧を高めることで動作します。正確な動作原理は、ブロワーのタイプによって異なります。サイドチャネルブロワーは回転するインペラーの運動エネルギーを空気またはガスに伝達し、圧力に変換します。ルーツブロワーは動作原理が異なります。2本の3葉ローブローターが、互いに反対方向に回転します。ローターの回転により空気またはガスを捕捉し、圧縮して次のステージまたは排気口へ移送します。
エアレーションブロワーとは何ですか?
エアレーションブロワーは廃水処理に使用されます。好気性消化を促進する目的で空気を送り込み、活性汚泥タンク内で固体を浮遊させた状態に保ちます。エアレーションに特化したブロワーテクノロジーはありません:この名称は、ブロワーを利用する用途を指すものです。
産業用ブロワーとは何ですか?
産業用ブロワーとは、特定の産業用途に大量の空気またはガスを供給する機械です。この空気は、大気よりもわずかに高い圧力で、一定方向に集中して吐出されます。この名称は、特殊なブロワーテクノロジーではなく用途を指すものです。
ファンとブロワーの違いは何ですか?
ファンとブロワーの両方とも、空気を循環させる装置です。ファンは、圧力の上昇が非常に低い状態で空気またはガスを移動させるものであり、通常は部屋などの広いエリア全体に空気を循環させるために使われます。一方、ブロワーはわずかに高い圧力で一定の方向に空気の流れを集中させます。
コンプレッサーとブロワーの違いは何ですか?
コンプレッサーとブロワーは両方とも加圧を発生させる装置ですが、その方法と結果が異なります。ブロワーは、圧力をわずかに高め一定の方向にガスを押し出します。コンプレッサーは、ガスを小さな空間に圧縮して圧力を上昇させ、より高密度にします。
真空ポンプとブロワーの違いは何ですか?
違いは圧力にあります。加圧 (吐出) が必要な場合はブロワーを使用し、吸引が必要な場合は真空ポンプを使用します。
リーフブロワーと産業用およびエアレーションブロワーの違いは何ですか?
リーフブロワーと産業用ブロワーは同じ原理で動作し、同じテクノロジーを使用しています。違うのは設置方法のみです。産業用ブロワーおよびエアレーションブロワーは、産業用の装置に組み込み固定して利用され、あらゆる方式のブロワーテクノロジーを使用することができます。リーフブロワーは、庭や公園などの落ち葉を清掃する目的で設計された、遠心式ブロワーの一種です。そのため、持ち運びやすく、十分な軽さがあり、簡単に使えることが求められます。