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出展:© stock.adobe.com - Michelle。

真空テクノロジーを使ったフリーズドライ

食品の消費期限を延ばすにはいくつかの方法があります。燻製や塩漬けに次ぐ最古の方法の一つが乾燥です – これは冷凍、沸騰、または真空包装が使われるよりずっと前から使われてきました。フリーズドライは、伝統的な乾燥方法を現代的に発展させたものであり、より長期間にわたって食品の腐敗を防ぐことができます。
フリーズドライは、伝統的な乾燥方法を現代的に発展させたものであり、より長期間にわたって食品の腐敗を防ぐことができます。
これは現代の真空テクノロジーがあってこその方法です。なぜならフリーズドライは真空下で行うからです。

どこで利用されていますか?

フリーズドライは、ベリー類など果物だけでなく、茹で野菜や調理済みの肉にも適しています。ハーブやスパイスも、水分をほぼすべて除去するフリーズドライで保存できます。最もよく知られているフリーズドライ食品は、インスタントコーヒーでしょう。多くのインスタント食品はフリーズドライされており、その多くは粒状または粉末状となっていて、沸騰したお湯を注ぐだけで完成です。原則的には、単に干して乾かすという方法で食品を乾燥させることもできます。しかし、この場合は、食材の構造や外観が変化するというデメリットもあります。また、香り成分は大気中の酸素と反応することがあり、それが味に影響を与えます。

フリーズドライは食品の構造が変化しないため、乾燥した細胞が水を吸収すると簡単に元にもどります。真空下で乾燥させると、香りもほぼ変わらずキープされます。

フリーズドライのプロセス

フリーズドライ(図1)は、昇華の原理を利用する純粋な物理プロセスです。乾燥チャンバー内は真空であるため、凍った水が水蒸気に昇華します。つまり、氷は「液体」の状態を飛び越して「固体」から直接「気体」となります。
実際の乾燥プロセスの前に、果物、コーヒー液などの製品を冷却チャンバーで十分に凍結させる必要があります。まず対象の飲食物をトレイに広げ、直接または台車に乗せて冷凍チャンバーに入れます。凍結が終わると、乾燥チャンバーに入れます(図 2)。

一部のフリーズドライヤーでは、乾燥チャンバー内で直接冷凍します。また、食品加工向けに連続工程用のフリーズドライヤーもあります。

冷凍後の乾燥プロセスは、密閉されたチャンバー内で行われます。真空ポンプを用いてチャンバー内の気圧を下げ1~0.5 hPa(mbar)にします。凍った水の蒸発は-50~-40℃で始まります。水蒸気は真空ポンプで乾燥チャンバーから吸い出され、下流のコンデンサーへと送られます。約-70℃に冷却されたこの「アイストラップ」では、水蒸気がコイル上で氷に凝華します。ここまでのプロセスで、製品からほとんどの水分が除去されます。これが一次乾燥と呼ばれます。

昇華の際、熱エネルギーが乾燥チャンバーから奪われます。つまり、昇華工程中はチャンバー内の温度が低下するということになります。そのためチャンバーの加熱が必要となります。温度を一定に保つ、あるいは温度上昇を-20 までのわずかな範囲に抑えるためには、昇華エネルギーとして水から奪われる量と同じだけの熱エネルギーを加えるように注意する必要があります。

一次乾燥に続き、ほとんどの飲食物は二次乾燥が必要になります。ここでは真空度を0.01 mbar以上に高め、チャンバー内を氷点を超す温度まで上げることによって、製品の残留水分をさらに強力に除去します。二次乾燥が完了すると、乾燥チャンバーに空気を入れて大気圧に戻し、乾燥した製品を取り出します。この時点で水分量は1~4%になっています。空気を入れる際は乾燥空気または不活性ガスを使用し、乾燥製品が周囲空気から水分を吸収しないようにします。

物理的パラメータ

フリーズドライプロセスは、主に次のパラメータに依存しています(図3):
  • 圧力または真空レベル
  • 温度
  • 時間

もちろん、対象の飲食物の特性も重要となります。このため、業務用フリーズドライや大量の製品を乾燥する場合は、まずパイロットプラントで試験を行います。

フリーズドライ用真空テクノロジー

フリーズドライには、信頼性が高く精密な調整が可能な真空供給が必要です。次の2つのタイプは、飲食物産業用フリーズドライヤーで多くの実績を持ちます:

  • ロータリーベーン真空ポンプとメカニカルブースターポンプの組み合わせ(図4)
  • スクリュー真空ポンプとメカニカルブースターポンプの組み合わせ(図5)

どちらの真空システムが最適であるかは、乾燥装置の規模、乾燥対象物の種類や前述の物理的パラメータによって決まります。

ロータリーベーン真空ポンプとメカニカルブースターポンプを組合わせた真空システム

ロータリーベーン真空ポンプはオイル潤滑式で、到達真空度は最大0.1 hPa(mbar)です。

より真空レベルを上げ、1 hPa(mbar)未満の圧力範囲で十分な排気速度を得るには、メカニカルブースターポンプの併用を推奨します。

これには、0.001 hPa(mbar)までの真空レベルに到達できるという利点があります。さらに、ロータリーベーン真空ポンプとメカニカルブースターポンプを組み合わることで、フリーズドライヤーのサイズに合わせてより精密に調整、設計することができるため、大型のロータリーベーン真空ポンプを1台で使うよりもエネルギー効率が向上します。

最後になりましたが、真空の専門家は最も効果的なポンプの組み合わせを算出することができます。Busch Vacuum Solutionsは、幅広い排気量のロータリーベーン真空ポンプとメカニカルブースターポンプを取り揃え、フリーズドライヤーのサイズに合わせた最適な真空システムを提供いたします。

スクリュー真空ポンプとメカニカルブースターポンプを組合わせた真空システム

スクリュー真空ポンプはドライ式、つまりオイルフリーで動作し、到達真空度は最大0.01 hPa(mbar)です。

また、スクリュー真空ポンプとメカニカルブースターポンプを組み合わせた真空システムには、真空ポンプ単体のソリューションよりも優れた利点があります。

スクリュー真空ポンプには、フリーズドライの工程の要件に合わせて排気速度を自動的に調整する周波数制御モーターを搭載することができます。

お客様のプロセスに最適な真空テクノロジーはどう選ぶ?

真空テクノロジーとそのサイズ選定の際には、真空の専門家にご相談いただくのがよいでしょう。最も経済的で、技術的にも理にかなったソリューションを提案する知識を持っています。

Busch Vacuum Solutionsは、食品、飲料、医薬品のフリーズドライ向け真空ソリューションを数十年に渡り提供してきました。真空技術に加えて、Buschはプロセス全体に対応する監視、計測、検出装置も取り揃えています。

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