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ソーラーセル製造に使われる真空

最先端の真空テクノロジーは、ソーラーパネル製造の迅速化と、パネルの効率性、耐久性の向上を可能にします。

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ソーラーセル製造における真空の役割

太陽光発電産業は、再生可能エネルギーの未来を切り開いています。真空は、将来にも対応するソーラーパネル製造において重要な役割を果たしています。各セルを構成するシリコンを作る最初の工程から、パネルをラミネートする最終工程まで、真空が使用されます。

ソーラーパネルの効率や費用対効果の向上に伴い、家庭や企業でのソーラーパネル導入は増えています。しかし、ソーラーパネルの需要が高まるにつれ、より効率的な製造プロセスが求められるようになっています。
真空を利用することにより、ソーラーパネルの迅速な製造が可能となり、効率性と耐久性も向上します。

最先端の真空テクノロジーは、ソーラーパネル製造の迅速化と、パネルの効率性、耐久性の向上を可能にします。

さらに、最適な真空テクノロジーは、廃棄物の削減とソーラーパネル製造プロセスの持続可能性の向上にも役立ちます。コーティングをソーラーセルに均等に塗布することで、材料の無駄が削減されます。

Buschは、太陽光発電産業向けに最適な真空ソリューションを提供しています。

ソーラーセルの製造における真空アプリケーション

真空テクノロジーを使用することにより、ソーラーパネルメーカーは耐久性と効率性に優れ、信頼性の高いソーラーパネルを製造できます。

ソーラーパネル製造プロセスでの真空アプリケーションは、主に次の4つです:
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真空下でのシリコン結晶の成長

ソーラーパネルを構成するセルは、地球上で最も豊富な元素の1つであるシリコンで作られています。それはほとんどすべての岩石、天然の海浜砂、および土壌に見られますが、常に他の元素、通常は酸素と結びついた状態で存在します。

ソーラーパネルには純粋なシリコンが必要です。これを作るために、高純度のシリコンであるポリシリコンを溶かし、種結晶を導入します。しかし、シリコンは溶融状態になると特に反応性が高くなります。ガス分子、ほこり、その他の不純物が反応し、シリコン結晶の成長に干渉することで、最終的にはその性能やソーラーパネルの効率に影響を与える可能性があります。

真空システムは、プロセスチャンバーからすべての空気を排気するために使われます。こうして作られた真空下では、シリコンと反応する不純物が存在しません。

汚染物質のない環境では、純粋なシリコンを成長させることができます。種結晶の上にシリコンの形成が始まります。溶融したシリコンからゆっくりと結晶を引き上げると、1本の長い棒状になります。それを約200µmの薄さにスライスしたものがウエハーです。

ところが、必要とされる不純物もあるのです。ドーピングとは、ごく少量の別の元素(通常はホウ素またはリン)を添加してシリコンウエハーを生成する工程です。これらの元素がシリコン原子と結合し、回路全体に電気を伝達できる「自由電子」」が生成されます。こうして絶縁体である純粋なシリコンが半導体となります。
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ロードロックチャンバー

ソーラーパネル製造のいくつかの重要な工程は、真空チャンバーで行われます。繊細なシリコンウエハーのために安定した、汚染物質のない環境を提供するためです。

ただし、ウエハーを大気条件からメインチャンバーに運搬する際の急激な圧力変化を避けるため、中間ステージ(ロードロックチャンバー)が必要です。それは宇宙船のドアにあるエアロックと似た役割を果たす空間で、ウェハーのロード、アンロード時に、圧力の異なる2つのチャンバー間のバッファーとして機能します。

ロードロックチャンバー内は、大気圧状態とメインチャンバーの真空状態を繰り返します。メインチャンバーの圧力のロスが生じないため、サイクルタイムが短縮され、汚染が減少します。

ロードロックチャンバー向けの製品
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コーティングプロセス

ソーラーセルはさまざまな材料でコーティングされています。材料と技法に応じてコーティングはさまざまな特性を持ちます。真空を利用すると、コーティング材が均等に分布され、気泡のない均一な厚みが確保されます。そしてそのコーティングはソーラーセルの効率性を高めます。

ソーラーパネル製造には物理蒸着(PVD)プラズマ化学蒸着(PECVD)という2種類のコーティング方法があります。これらは両方とも成膜の技法ですが、方法は異なり、それぞれ別の目的で使用されます。PVDプロセスでは、ベーパーが基材上で凝縮してコーティングを形成します。PECVDプロセスでは、ベーパーが基材上で化学反応を起こし、薄い膜が形成されます。

ソーラーパネル製造におけるPVDは、通常、外的要因による損傷からソーラーセルを保護するためのコーティングです。

PVDコーティング向けの製品

一方PECVDは、反射防止など、特定の化学的、電気的特性を持たせるためのコーティングです。このコーティングにより、セルが発電するための光子(光粒子)を捕捉しやすくなるため、ソーラーパネルの効率が向上します。コーティングプロセスの仕組みについての詳細はこちらをご覧ください。

PECVDコーティング向けの製品
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ソーラーモジュールのラミネート加工

太陽光発電モジュールの耐久性を確保するには、高品質のラミネートが不可欠です。このプロセスでは、複数の層のウエハーと、表面をカバーするガラスシートや背面を保護するバックシートを接着します。

真空で層の間に閉じ込められた空気を除去することで、層が剥離しないよう強く接着します。剥離が起こると、時間の経過とともに太陽光発電モジュールの効率性が低下する恐れがあります。

ラミネート向けの製品

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適合する製品

当社の真空ソリューションは、主要なソーラーパネル工場で稼働しています。世界をまたいで。評価される理由は信頼性です。ソーラーパネルの工程なら何でもお任せください。

 
PVDコーティング
CVD/PECVDコーティング
ラミネート
ロードロックチャンバー
 
COBRA NX
PANDA WV

(ロードロックチャンバー)
 
 
COBRA NX
PUMA WY

(プロセスチャンバー)
 
 
COBRA DS

(ロードロックチャンバー/プロセスチャンバー)
COBRA NC
PANDA WV
 
 

(第1チャンバー)
COBRA NX
PANDA WV
 
 

(第2チャンバー)
MINK MM
 
 
 
COBRA NX
PANDA WV
 
 

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ソーラーセルとソーラーパネルの違いは何ですか?

太陽光発電と聞けば、ほとんどの場合ソーラーパネルが最初に浮かびます。しかしソーラーパネルは最小のコンポーネントではありません。最小のものは、ソーラーセル、つまり太陽電池です。これは、2層の半導体ウエハーで構成されています。複数のソーラーセルを並列に接続すると、太陽光発電モジュールになります。これらは密閉状態でカプセル化されています。

設置可能なユニットとしてパッケージ化された1つあるいは複数の太陽光発電モジュールがソーラーパネルです。また、ソーラーアレイは、直列または並列接続された複数のソーラーパネルで構成されています。わずか数個のモジュールで構成されるものもあれば、数ヘクタールにわたるサイズのものもあります。

ソーラーパネルはどのように製造されますか?

太陽電池(PV)パネルとも呼ばれるソーラーパネルの製造プロセスは、シリコンウエハーの製造、セルの加工、モジュールの組み立てなど、複数の工程で成り立っています。

最も一般的なソーラーパネル製造プロセスには、次の3つの真空アプリケーションが含まれます:

  • シリコン結晶の成長:石英砂(SiO2)を炉内で還元剤(炭素)と共に高温で加熱します。砂に含まれる酸素分子が炭素と結合して一酸化炭素(CO)となり、純粋な溶融シリコンが残ります。種結晶をシリコン表面に置き、ゆっくりと引き上げます。この動きと回転を組み合わせることで、シリコンインゴットが形成されます。シリコン結晶に不純物が入り込むのを防ぐため、このプロセスは真空下で行われます。次に、シリコンインゴットをスライスし、シリコンウエハーと呼ばれる紙のような薄さのディスク状にします。
  • コーティングプロセス:製造されるソーラーパネルの種類に応じて、シリコンウエハーはさまざまな化学処理を経てからソーラーセルに組み込まれます。純粋なシリコンは光沢があるため、セルには反射性があります。そのため、真空下で表面に反射防止コーティングを施します。
  • 太陽光発電モジュールのラミネート:複数のソーラーセルを金属製コネクターでつなぎ合わせ、太陽光発電モジュールを形成します。モジュールの一番上には薄いガラス層が配置されており、背面のシートは耐久性に優れたポリマーベースの材料で作られています。真空を使い、層と層の間に閉じ込められた空気を除去します。そうすることで完成したモジュールの強度と耐久性が確保されます。

ソーラーパネルはいくつも種類があるのですか?

ソーラーパネルには大きく分けて4つのタイプがあります。

  • モノクリスタルパネルは、単結晶パネルとも呼ばれ、純粋なシリコンの結晶を成長させ、それを複数のウエハーに切り分けて作られます。これは、スペースが限られている場所に最適です。このタイプのソーラーパネルは、太陽光が少ない場所でも最大量のエネルギーを収集できます。
  • パッシベーションエミッターおよびリアセル(PERC)は、効率性が向上した単結晶パネルの改良バージョンです。背面に反射層が追加されています。これにより、従来のパネルよりも余分に光子を捕捉し、より多くのエネルギーを生成できるようになっています。
  • ポリクリスタルあるいは多結晶ソーラーパネルは、複数のシリコン結晶で構成されています。ウエハーは、複数のシリコン片を溶融することによって形成されます。次に、この混合物をソーラーセルのサイズの型に注ぎます。多結晶パネルは、その成形プロセスにより、材料がほぼ、あるいはまったく無駄にらないため、より環境に配慮したものとなります。このカテゴリーは、次の2つのタイプに分かれます:
    • トンネル酸化膜パッシベーションコンタクト(TOPCon):セルの裏面に極薄の酸化物の層が追加されます。これにより、セルがより高い電圧を扱いやすくなり、発電量が増加します。TOPConセルは、PERCセルよりも効率的で、特に低照度の環境でその効率を発揮します。
    • ヘテロ結合(HJT):これらのセルは、3層の太陽光発電素材で構成されています。2つの異なるセルテクノロジーである多結晶シリコンと薄膜シリコンを組み合わせて電力を生成します。一般的に、HJTセルを組み合わせると他のセルテクノロジーよりも大きなパネルを作り出すことができ、高い効率レベルに達することができます。
  • 薄膜ソーラーパネルは複数の層で構成されています。これらの層は非常に薄く、柔軟性があります。パネルはフレームの裏打ちが不要なため、軽量で簡単に取り付けることができます。薄膜ソーラーパネルはシリコンではなく、テルル化カドミウム(CdTe)、アモルファスシリコン(a-Si)、セレン化銅インジウムガリウム(CIGS)で作られており、ペロブスカイトとも呼ばれます。これは、HJTセルよりも効率的です。

いずれのタイプのソーラーパネルも、ソーラーパネル製造プロセスのさまざまな工程で真空を利用しています。タイプによっては、シリコンの成長、コーティング、ラミネート、またはその3つすべてに利用されています。

ソーラーパネル製造に使われる原材料は何ですか?

砂浜の砂としても知られる石英砂がソーラーパネルの製造に使用されています。この砂から、ソーラーパネル製造に必要な主要材料である純粋なシリコンを製造できます。純粋なシリコンは溶融状態で非常に反応性が高いため、シリコン結晶に不純物が入り込むのを防ぐ目的で、真空下で処理されます。