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二酸化炭素回収

真空と加圧を利用すると、本来ならば大気中に蓄積するCO2を効率的に回収、貯留することができるようになります。

二酸化炭素回収における真空の役割は?

気候変動の影響を緩和するために、世界はよりグリーンな社会を目指して取り組んでいます。大気中に放出される二酸化炭素(CO2)の低減が急務の課題です。
Buschの真空ポンプは二酸化炭素回収プロセスを支えています。


二酸化炭素回収技術により、発電所や製鉄所など高排出産業からのCO2排出を削減、あるいは完全にゼロにすることも可能になります。Buschの真空ポンプは二酸化炭素回収プロセスを支えています。

二酸化炭素の回収と貯留

二酸化炭素の回収と貯留は、二酸化炭素が大気中へ放出されるのを防ぐ一連のプロセスとテクノロジーです。それには2つの形態があります:1つは、発電所や工場などの排出源でCO2を回収する、いわゆるポイントソース回収、もう1つは、大気中から直接二酸化炭素を取り除く直接空気回収(DAC)です。

二酸化炭素回収における加圧および真空アプリケーション

真空と加圧は、炭素回収において重要な役割を果たし、本来ならば大気中に蓄積するCO2の効率的な分離と貯留を促進します。

Buschの真空ポンプブロワーは、二酸化炭素の回収、回収媒体の再生、CO2の高純度化に役立ちます。ポイントソースの二酸化炭素回収直接空気回収の両方のプロセスで使用されています。
ポイントソース回収

ポイントソース回収

ポイントソースの二酸化炭素回収は、工場や発電所からの二酸化炭素排出量を削減することを目的としています。この方法では、二酸化炭素をその排出源で他の排出物と分離することで、大気中への放出を防ぎます。

このテクノロジーには複数の技法があり、既存の工場に後から導入することも可能です。技法は3つに分類できます:吸収吸着膜分離法です。Buschの真空ポンプとブロワーは、二酸化炭素回収のそれぞれの方法で重要な役割を果たします。

適合する製品

吸収

アミン吸収法

アミン吸収法は、発電所、化学プロセスプラント、製鉄所など排出量の大きな産業に適した溶媒ベースの二酸化炭素回収法です。排出量の多い複数の産業が密集している場所では、アミン吸収システム一元化し、1つの施設を複数の工場で利用することもできます。

まず、排ガス冷却塔で室温より少し高い程度の温度まで冷やします。次に、冷却した排ガスを吸収塔に送り、そこに液体のアルカリ性吸着剤であるアミンを導入します。排ガスのCO2がアミンに溶解し捕捉されます。それ以外のガスは塔を上昇し、放出されます。

この時点でアミンには高濃度のCO2が吸収されています。それを分離するために、アミンを再生塔に移し、蒸気を使って真空下で加熱します。真空にすることで、アミンの沸点を下げることができます。加熱によって、捕捉された二酸化炭素が放出されます。この時点でその純度は非常に高くなっています。一方アミンは高温で劣化します。したがって、沸点を下げることによってアミンの劣化が防がれます。適切に処理すれば長年にわたって再利用することが可能です。アミンを再生することで、持続可能性とコスト効率のより高いプロセスが実現します。新品のアミンは購入コストが高く、廃棄も困難です。

最後は、CO2回収容器に運ぶ工程です。真空ポンプが、再生塔から回収したガスを吸引し、回収容器に移します。その後、二酸化炭素は再利用あるいは貯留のために輸送され、アミン液は吸収塔に戻されます。

吸着

移動床式プロセス

二酸化炭素回収における移動床プロセスには、次の3つのステージがあります:吸着リアクター脱着リアクター、そして吸着材乾燥器です。このプロセスでは、CO2個体吸着材で回収します。これは多孔質の球体にアミン溶媒を担持させたもので、それがシステムの3つのステージを循環します。

吸着リアクター
プロセスは、吸着リアクターから始まります。ここに工場などからの排ガスが導入され、吸着剤でCO2を吸着します。メソッドは異なりますが、このステップはアミン吸収法とまったく同じで、二酸化炭素がアミン溶媒に溶解して捕捉されます。

脱着リアクター
CO2を吸着した固形吸着剤は、その後、脱着リアクターに移動します。蒸気をリアクターに吹き込むと、固体吸着剤の表面で凝縮します。それによってCO2が放出され、回収できる状態になります。

脱着リアクターの出口に接続された真空ポンプがCO2を吸引します。ガスは真空ポンプを通り、排気口に設置した回収容器に入ります。そこから輸送し再利用または貯留します。

吸着材乾燥器
次に、水分を含んだ固形吸着材は乾燥器に移動します。乾燥器にブロワーで温風を送り込み、水分を取り除きます。その後、固形吸着材は乾燥器から出され、再び吸着に利用されます。

真空スイング吸着法(VSA)

圧力スイング吸着法(PSA)または真空圧力スイング吸着法(VPSA)とも呼ばれる真空スイング吸着法(VSA)は、移動床プロセスと同様に、吸着脱着再生という手順を踏むCO2分離プロセスです。

吸着
まず、排ガスが吸着層と呼ばれる部分を高圧で通過します。これは固形吸着剤でできた一種のフィルターです。多孔質の材料で、他の回収方法と同様にアミン系である場合もあれば、活性炭やゼオライトなど別の化合物である場合もあります。ここでは、CO2分子を選択的に捕捉しつつ、他のガスは通過させます。

脱着
CO2が排ガスから分離され、吸着床が飽和状態になったら、チャンバー内を真空にします。その結果、捕捉された二酸化炭素分子にかかる圧力が低下し、吸着床から分離、つまり脱着して再び気体の状態に戻ります。ここで同時に温度を上げると、脱着プロセスの効率を高めることができます。

再生
アミン吸収プロセスと同様に、二酸化炭素を放出するこのプロセスでアミン系の吸着床も再生され、再利用できるようになります。

脱着した分子は、その後高純度の状態で回収され、輸送あるいは貯留されます。

膜分離

膜を使った二酸化炭素の回収は、比較的簡単に規模を拡大できる方法で、バイオガスの精製や石油化学製品の精製など、小規模から中規模の二酸化炭素排出源に適しています。膜分離プロセスでは、数種類の膜を使います。これらはフィルターの役割を果たします。膜の素材はCO2を容易に透過させますが、他のガスは通しません。

これらの膜に真空と加圧をかけ、プロセス全体の効率性を向上させます。真空と加圧で、各膜の両側に圧力差を生じさせます。真空ポンプを使用して膜の片側で圧力を下げ、反対側ではブロワーを使用して圧力を上げます。これにより、膜を通るCO2の透過率が高まります。

膜による回収プロセスは通常、2つの独立したステージに分かれており、それぞれのステージには複数の膜モジュールが並列で配置されています。2段階のフィルタリングを行うことで、排ガス中の成分を最大限に分離・除去でき、回収されるCO2の純度を高めることができます。

直接空気回収

直接空気回収

直接空気回収(DAC)は、CO2の発生源の近くに設置する必要のない、場所に依存しない二酸化炭素回収方法です。DACは、車の排気のように直接的な回収システムの導入が難しい排出源からの炭素を回収する手段として、また、炭素回収技術が存在しなかった時代に大気中に蓄積された過去の二酸化炭素(レガシーカーボン)を回収する手段としても位置づけられます。

ファンを使い空気を吸い込み、アミンを含んだフィルターを通して二酸化炭素を補捉します。分子をフィルターから脱着するには真空が不可欠です。真空で回収装置内の圧力を下げると捕捉されたCO2分子にかかる圧力が下がります。これにより、二酸化炭素がフィルターから離れ、気体の状態に戻ります。こうして回収されたCO2は、再利用のために輸送されるか、あるいは恒久的な貯留場所へ運ばれます。

Climeworksは、直接空気回収技術を最初に採用した会社であり、そのプロセスでMINK真空ポンプを利用しています。その先駆的な技術を称え、同社に「Innovation in Vacuum Busch Award 2021」を贈りました。

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二酸化炭素の回収および貯留アプリケーション向けの当社のソリューション

二酸化炭素回収および貯蔵アプリケーション向けに設計した当社の多彩な真空ポンプをご覧ください。高効率、高信頼、低メンテナンスが評価されています。

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移動床式プロセス
 
PSA(圧力スイング吸着法)
 
 
膜分離
 
直接空気回収(DAC)
 
 

ターンキー真空システムをご用意しております。

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テーラーメイド真空システム

当社のお客様の事例

Climeworks社が2021年の「Innovation in Vacuum Busch Award」を受賞

Climeworks社が2021年の「Innovation in Vacuum Busch Award」を受賞

CO₂除去のための革新的テクノロジー

FAQ

回収後の二酸化炭素はどうなりますか?

どの方法による二酸化炭素除去であっても、CO2活用することも、恒久的に貯留しておくこともできます

利活用

二酸化炭素は、さまざまな産業で必要とされる重要な資源です。世界中で、毎年2億3,000万トン以上のCO2が必要とされています。最大の消費者は肥料産業であり、それに続くのが石油・ガス産業です。石油・ガス産業では、二酸化炭素を原油増進回収(EOR)に利用しています。

それだけでなく、他の商業アプリケーションにとっても重要な資源です。二酸化炭素は消火システム温室での植物の成長促進、食品・飲料製造にも使用されます。

本来であれば大気中に放出されるはずの二酸化炭素を再利用することで、持続可能性に優れた循環の枠組みが実現されます。

貯留

捕捉した二酸化炭素の使い道の2つ目は、恒久的な貯留です。二酸化炭素は地中深くの岩盤に貯留することができます。

そのためには、まずCO2を水と混ぜて炭酸(炭酸水)を作ります。それを地表下に注入します。炭酸水が酸性であるため、玄武岩に含まれるミネラルが溶け出し、そのミネラルに含まれるイオンが水中に放出されます

時間の経過とともに、これらのイオンが二酸化炭素と反応して結合します。この反応によって鉱物化し、固形になります。つまり二酸化炭素が実質的に岩石の一部として取り込まれるのです。

2年たつと、送り込んだ炭酸水の90%以上がこの鉱物化プロセスを完了します。二酸化炭素は安全かつ恒久的に閉じ込められ、再び大気中に戻ることはありません。

二酸化炭素を固い岩に変える

二酸化炭素を海で回収することはできますか?

直接海洋回収は、自然環境から二酸化炭素を除去するためのもう一つの方法で、現在開発が進められています。

地球の海は自然の炭素吸収源です:何十年もの時間をかけて、大気中のCO2が海に溶け込んでいきます。海水の上層を処理し、そこに含まれる二酸化炭素を除去することができます。回収した海水からごく少量(1%未満)を取り分け、酸を生成するために前処理します。作られた酸を回収した海水に添加すると、化学プロセスが始まりCO2が抽出されます。その後、水を元のpHレベルに戻して海に返します。

この方法で、海水は、除去された分と同じ量のCO2を再度吸収することができるようになります。非常に持続可能性に優れたソリューションです。

実用化されれば、非常に環境負荷の少ない二酸化炭素回収手段となります。というのも、このプロセスで使うのは海水のみで、吸収剤や溶媒は一切不要、副産物も発生しないからです。

二酸化炭素回収プロセスで使われる真空ポンプの原理はどれですか?

二酸化炭素回収方法に応じて、さまざまな真空技術が使われています。

ドライスクリュークロー水封式真空ポンプは、いずれも直接空気回収(DAC)に使用できます。また、ポイントソース回収では、ロータリーベーンルーツ真空ポンプ、ならびにサイドチャネルブロワーも使用できます。

当社の製品検索をご利用ください。あるいは、お問い合わせいただけば、お客様のアプリケーションに最適なソリューションを提案させていただきます。

二酸化炭素の直接空気回収とは何ですか?

直接空気回収(DAC)は、大気から直接二酸化炭素を抽出する回収法です。

ポイントソース回収とは異なり、これは排出源で行うのではなく、場所を選ばずにどこでも実施可能です

回収した炭素を地下に恒久的に貯留することも、二酸化炭素を必要とする産業で再利用することもできます。

Busch Vacuum Solutionsは、二酸化炭素の回収および貯留においてどのような役割を果たしていますか?

Buschの真空ポンプは、世界中の二酸化炭素回収プロセスで利用されています。ポイントソース回収と直接空気回収の両方で、多様な二酸化炭素回収技法に採用されています。

当社の真空ポンプは、二酸化炭素の回収および貯留に欠くことのできない役割を果たし、よりグリーンな世界の実現に貢献しています。当社の真空ポンプをご利用いただくことで、効果的かつ効率的に二酸化炭素を大気から除去し、安全に再利用または貯留することができます。

二酸化炭素の直接空気回収は、従来の二酸化炭素回収方法とどのように異なりますか?

直接空気回収(DAC)は、排出源ではなく、すでに存在する二酸化炭素を大気から除去します。

回収システムを工場や発電所に付随させる必要がなく、完全に独立した設備としてどこにでも設置できます。

またDACは、車両などのように直接的な回収システムの設置が不可能な排出源からの炭素を回収する手段でもあり、さらにレガシーカーボン、つまり、炭素回収技術が存在する以前から長年にわたって大気中に蓄積された二酸化炭素の回収にも使えます。

回収した二酸化炭素を他の目的で利用できますか?

はい。二酸化炭素回収プロセスで回収した二酸化炭素は再利用することができます。

CO2は、さまざまな産業で重要な資源として使われています。たとえば、肥料や消火システムに使用されるほか、植物の成長を促す目的で温室でも利用されます。

本来であれば大気中に放出されるはずの二酸化炭素を再利用することで、持続可能性に優れた循環の枠組みが実現されます。

クリーンエネルギーへの移行における二酸化炭素回収の役割はどのようなものですか?

二酸化炭素回収でCO2排出量を抑えることで、既存の発電所が大気に与える影響を軽減します。

ポイントソース回収システムは、化石燃料で稼働する既存の発電所に後付けすることができます。

また、直接空気回収(DAC)システムなら、過去に排出された二酸化炭素を大気中から除去することもできます。

つまり、二酸化炭素回収は、よりグリーンな発電への転換が進む中で、既存技術の悪影響を和らげる役割を果たします。