二酸化炭素回収における真空の役割は?
気候変動の影響を緩和するために、世界はよりグリーンな社会を目指して取り組んでいます。大気中に放出される二酸化炭素(CO2)の低減が急務の課題です。二酸化炭素回収技術により、発電所や製鉄所など高排出産業からのCO2排出を削減、あるいは完全にゼロにすることも可能になります。Buschの真空ポンプは二酸化炭素回収プロセスを支えています。
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膜を使った二酸化炭素の回収は、比較的簡単に規模を拡大できる方法で、バイオガスの精製や石油化学製品の精製など、小規模から中規模の二酸化炭素排出源に適しています。膜分離プロセスでは、数種類の膜を使います。これらはフィルターの役割を果たします。膜の素材はCO2を容易に透過させますが、他のガスは通しません。
これらの膜に真空と加圧をかけ、プロセス全体の効率性を向上させます。真空と加圧で、各膜の両側に圧力差を生じさせます。真空ポンプを使用して膜の片側で圧力を下げ、反対側ではブロワーを使用して圧力を上げます。これにより、膜を通るCO2の透過率が高まります。
膜による回収プロセスは通常、2つの独立したステージに分かれており、それぞれのステージには複数の膜モジュールが並列で配置されています。2段階のフィルタリングを行うことで、排ガス中の成分を最大限に分離・除去でき、回収されるCO2の純度を高めることができます。
どの方法による二酸化炭素除去であっても、CO2を活用することも、恒久的に貯留しておくこともできます。
直接海洋回収は、自然環境から二酸化炭素を除去するためのもう一つの方法で、現在開発が進められています。
地球の海は自然の炭素吸収源です:何十年もの時間をかけて、大気中のCO2が海に溶け込んでいきます。海水の上層を処理し、そこに含まれる二酸化炭素を除去することができます。回収した海水からごく少量(1%未満)を取り分け、酸を生成するために前処理します。作られた酸を回収した海水に添加すると、化学プロセスが始まりCO2が抽出されます。その後、水を元のpHレベルに戻して海に返します。
この方法で、海水は、除去された分と同じ量のCO2を再度吸収することができるようになります。非常に持続可能性に優れたソリューションです。
実用化されれば、非常に環境負荷の少ない二酸化炭素回収手段となります。というのも、このプロセスで使うのは海水のみで、吸収剤や溶媒は一切不要、副産物も発生しないからです。
直接空気回収(DAC)は、大気から直接二酸化炭素を抽出する回収法です。
ポイントソース回収とは異なり、これは排出源で行うのではなく、場所を選ばずにどこでも実施可能です。
回収した炭素を地下に恒久的に貯留することも、二酸化炭素を必要とする産業で再利用することもできます。
Buschの真空ポンプは、世界中の二酸化炭素回収プロセスで利用されています。ポイントソース回収と直接空気回収の両方で、多様な二酸化炭素回収技法に採用されています。
当社の真空ポンプは、二酸化炭素の回収および貯留に欠くことのできない役割を果たし、よりグリーンな世界の実現に貢献しています。当社の真空ポンプをご利用いただくことで、効果的かつ効率的に二酸化炭素を大気から除去し、安全に再利用または貯留することができます。
直接空気回収(DAC)は、排出源ではなく、すでに存在する二酸化炭素を大気から除去します。
回収システムを工場や発電所に付随させる必要がなく、完全に独立した設備としてどこにでも設置できます。
またDACは、車両などのように直接的な回収システムの設置が不可能な排出源からの炭素を回収する手段でもあり、さらにレガシーカーボン、つまり、炭素回収技術が存在する以前から長年にわたって大気中に蓄積された二酸化炭素の回収にも使えます。
はい。二酸化炭素回収プロセスで回収した二酸化炭素は再利用することができます。
CO2は、さまざまな産業で重要な資源として使われています。たとえば、肥料や消火システムに使用されるほか、植物の成長を促す目的で温室でも利用されます。
本来であれば大気中に放出されるはずの二酸化炭素を再利用することで、持続可能性に優れた循環の枠組みが実現されます。
二酸化炭素回収でCO2排出量を抑えることで、既存の発電所が大気に与える影響を軽減します。
ポイントソース回収システムは、化石燃料で稼働する既存の発電所に後付けすることができます。
また、直接空気回収(DAC)システムなら、過去に排出された二酸化炭素を大気中から除去することもできます。
つまり、二酸化炭素回収は、よりグリーンな発電への転換が進む中で、既存技術の悪影響を和らげる役割を果たします。