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ベルリンにあるKönigliche Porzellan-Manufakturは、1763年からテーブルウェア、装飾磁器、磁器芸術品を製造してきました。出典:KPM Berlin。

高品質の磁器に欠かせない真空技術。

KPM Königliche Porzellan-Manufaktur Berlin GmbH | ベルリン王立磁器製陶所

40年以上にわたり、ベルリンのKönigliche Porzellan-Manufaktur社では、Busch Vacuum Solutionsの3台の真空ポンプが稼働しています。1763年に設立された伝統的なメーカーである同社は、高い品質基準を掲げています。製造工程で確実に脱泡することで、その基準を満たす磁器が作られます。
ドイツの首都の中心部、1870年の建物を見事に修復したレンガ造りの建物の内部は、廊下や階段が果てしなく続く迷宮のようになっています。青いドアの後ろ、小さなクリーンルームに設置されているのは、Busch Vacuum Solutionsの2台のR5ロータリーベーン真空ポンプです。これらの真空ポンプはここで数十年にわたり、隣の部屋で必要とされる真空を確実に生成してきました。磁器の効果的な脱泡には、真空が必要なのです。

無限のクリエイティビティを担う3つの要素
磁器の伝統的なレシピは、カオリンが半分、長石と石英が4分の1ずつで構成されています。これらの原材料は、主にバイエルン州とザクセン州の鉱山から、事前に砕かれた状態で大きな白い袋に入れられて供給されます。現在、工場で働く180人の従業員は、エスプレッソカップから床置きの花瓶まで、年間150トンの材料から20万個の製品を製造しています。
ドイツで最も古い磁器メーカーの1つであるKPMは、1763年からベルリンで質の高いテーブルウェア、装飾磁器、磁器芸術品を、すべて手作業で製造してきました。クラシックな白色に金の縁取り、手描きの花柄、伝統的な形式やモダンなデザイン、置物など。同社の現在のラインナップは2000種以上にも上ります。デザインデータを保管しているため、何十年経っても同じ製品の再注文が可能です。ベルリンの美しい磁器は、世界中の高級ホテルや星付きのレストラン、あるいはご自宅の祝いの席でも愛用されています。

製品の原材料は、光沢のある最終的な姿とは似ても似つかないものです。原料である3種類の粉末の内、カオリンをまず水に溶かします。混ぜるとバターミルクのような、わずかに粘性のある液体になります。そこに残りの2つの原料、長石と石英を加えます。攪拌機で全体が均質になるまで混ぜます。永久磁石と細かいふるいを使い不要な粒子を取り除き、磁器に茶色の染みや凹みが生じるのを防ぎます。

一貫した品質を支える安定した真空

撹拌した磁器の原料をさらに加工していくには、脱水する必要があります。これは大型のフィルタープレスで行います。ここで、皿やカップのようなろくろ成形磁器と、花瓶、水差し、またはフィギュアのような鋳込み成形磁器の間で工程が分かれます。ろくろ成形品の場合、脱水後の原料に含まれる水分量が最大で21~25%になるようにします。脱水した「ケーキ」と呼ばれる粘土状の原料が、コンベアベルトを介して2段式のスクリュー押出成形機に運ばれます。第1段階では、粘土をパンチングメタルを通して押し出し、細いパスタのような紐状にします。ちょうどひき肉を作るようなイメージです。押し出されると、真空チャンバーの中に落下します。ここは20 hPa(mbar)の真空レベルになっており、粘土からすべての気泡が取り除かれます。この工程がなければ、磁器の焼成時に気泡が膨張し、凹みが生じたり、貴重な作品が破裂したりする原因になります。
「BuschのR5真空ポンプによる真空生成は安定しているため、磁器粘土の脱泡が効果的に行えます。おかげでオーブンから出てくるカップ、プレート、ボウルは完璧な状態です。真空チャンバー内の圧力が一定であることが、一貫した高品質の必須条件です」とKPMのテクニカルマネージャーであるCarsten Glitzky博士は話します。
「正直に言えば、3台の真空ポンプにはあまり手間をかけていません。推奨されるメンテナンス間隔でオイルとフィルターを交換していますが、 それ以上のメンテナンスが必要になることはありません」とGlitzky博士は付け加えました。


鋳込み成形用のスラリー状の磁器原料は、撹拌だけでも脱泡できますが、ろくろ成形に使われるより固形に近いペーストでは、そのような方法で空気を抜くことはできません。そこで、Buschの真空が役立ちます。脱泡された粘土は、2つ目のスクリューの円錐形の口金から、紐状につながって押し出されます。その直径は、ろくろ成形される作品のサイズによって異なり、最も小さな直径のものはエスプレッソカップに、最も大きなものはディナープレートに使われます。別の押出成形機に設置された3台目の真空ポンプは、大型バスケットなど、手作業によるろくろ成形製品用特殊粘土の脱泡に使用されています。

気泡のない状態でオーブンへ

押出成形機から出た紐状の粘土を40 cmの長さで切り分け、湿度の高い室内で防水シートで覆い保管します。温室の中のように、暖かく湿った霧が空気中に漂っています。数日間そこで寝かしてから、ろくろやその他の機器を使い、美しい皿、カップ、鉢に仕上げます。
その後、乾燥工程を経て1,000℃で素焼きし、耐久性を高めます。次に、釉薬をかけ、ブランドマークを刻印してから、最終的に1,400℃で約20時間焼成することによって、美しい光沢のある最終的な形状に仕上がります。最終焼成後、大きな窯の扉が開くのは週に4回ほどですが、それはいつも特別な体験です。新しいデザインの製品が期待通りの姿で仕上がっているか?と緊張して窯を開けることもあります。しかし少なくとも、粘土はBuschの真空で脱泡しているため、破裂など最悪の結果になることはありません。