最新テクノロジーの頭脳を作る

シリコン（ケイ素）は地殻に2番目に多く含まれる元素で、私たちの周りに多く存在します。しかし自然界では、砂、石英、その他の岩石など、他の元素と結合した状態で存在します。マイクロチップに必要なのは、高純度の結晶です。結晶は真空下で作ることができます。そして真空はBuschの真空ポンプが作ります。

現代社会はマイクロチップに大きく依存しています。それは電子機器を支える頭脳であり、ゲーム機や自動車で最もよく使われています。しかし、スマートテクノロジーの時代に突入するにつれ、マイクロチップは子供のおもちゃや洗濯機、パスポートなど、思いもよらない場所に搭載されるようになってきました。

多くの結晶でできた1つの結晶

すべてのマイクロチップの物語は、ポリシリコンから始まります。ポリシリコンとは、複数の小さな結晶からなるシリコンの1つの形態です。エレクトロニクス業界では、超高純度のシリコンが求められます。これは一般的に99.999%～99.999999999%の間、つまり10億個のシリコン原子に混じるシリコン以外の原子が1個未満であることを意味します。マイクロチップを作るには、ポリシリコンを、単結晶シリコンと呼ばれる1つの結晶に変えなければなりません。これはマイクロチップ製造にとって不可欠な工程です：この工程がなければ、ポリシリコンの結晶構造内の粒界や不規則性が、完成したマイクロチップの性能に影響を与える可能性があります。単結晶シリコンの製造にはいくつかの方法がありますが、最も一般的なのは真空下でシリコン結晶を成長させるCZ法(Czochralski method）です。

種からつくる結晶

単結晶シリコンを作るCZ法は、引き上げ法とも呼ばれます。この名称は、真空炉の中で結晶を引っ張って形作ることからきています。真空炉内で、ポリシリコンを極めて高温の約1410°Cまで加熱し溶かします。種結晶と呼ばれる小さなシリコンの単結晶を液面中央にひたし、回転させながらゆっくりと引き上げます。溶融したシリコンが種結晶と共に引き上げられ、固化していきます。これにより、純粋なシリコンの長い円柱状の棒ができ上がります。溶融シリコンは反応性が高いため、純度を維持するためには大気に触れないようにしなければなりません。そこで、Buschの真空ポンプを使用して炉内から空気を排出します。そうすることで、汚染物質のない環境で最高品質の結晶が作られ、その後、 半導体工場 での長い製造工程を経てマイクロチップになります。