ブラウザを更新してください。

お使いのMicrosoft Edgeブラウザは最新版ではありません。Buschのウェブサイトを十分にご活用いただくには、ブラウザの更新が必要です。

joints3dprint_1200x450

プレスされたばかりの新しい関節

テーラーメイドを真空で

3Dプリントで作れるのは小さなプラスチック部品だけではありません。アディティブマニュファクチャリング(AM)の進歩により、さまざまな原材料からさまざまな形状を作ることができます。現在、個々の患者に合わせた整形外科用インプラントを製造する3Dプリントにも、Buschグループの真空ポンプが使用されています。
以前は、医療用インプラントを待つ患者の選択肢は2つでした。カタログに掲載されている汎用品を購入するか、テーラーメイド品を非常に長い時間待つか、です。3Dプリントは両方の良さを併せ持ちます:解剖学的に精工なインプラントを作れ、短い待ち時間で手術が可能です。フィット感が向上したことで、回復時の不快感も軽減され、再手術が必要になる可能性も低くなりました。

プリントされたインプラント

人の骨格はそれぞれ異なります。そのため、従来の金属加工技術でインプラントを作ると、複雑な解剖学的形状を精巧に作り上げるために、成形、フライス加工、研磨に何週間もかかり、複数の部品が必要になることもあります。3Dプリントなら製造工程がずっと簡単です。インプラントは設計プログラムでマッピングされ、数百、あるいは数千の小さな層に分割されます。その後、3Dプリンターで各層を重ねて「印刷」します。こうやって1つのインプラントが数日で完成します。

真空下で焦点を合わせる

金属インプラントは、真空下での電子ビーム溶融(EBM)で作られます。まず、 Buschの真空ポンプでビルドチャンバーから空気を除去します。次に、タングステンワイヤを2,500℃に加熱し、電子を放出させます。これをビームに集束し、パウダーベッドと呼ばれる敷き詰めた金属(通常はチタンやコバルトクロム)粉末に照射します。設計プログラムで指定された形状を電子ビームでトレースすると、照射された金属粉末が加熱され融合します。これによりパウダーベッドに薄い金属層が形成されます。これが3D造形の底層になります。次に、パウダーベッドを下げ、印刷した層の上に金属粉末を追加し、次の層を最初の層の上に融合させます。この工程を最終層まで繰り返すと、インプラントの完成です。 EBMは、3つの異なる理由から真空下で行われます。第一に、精度です。不要なガス分子が存在すれば、電子ビームがそれらに衝突して偏向し、金属粉末への照射位置が不正確になる可能性があります。これは、最終製品の精度に大きな影響を与えます。次に、真空は材料の均質化にも貢献します: チャンバー内に空気がないため、溶融金属に気泡が生じることはありません。最後に、真空にすることで酸素が存在しないため、金属を加熱しても酸化が起こりません。つまり、残りの粉末は次の印刷プロセスに再利用できます。
ドナーのいらない移植

生きている細胞で印刷するというとSF映画のようですが、人間の組織を印刷するバイオプリンティングは医療の進歩における次のステップです。ヒト細胞とさまざまな生体適合性材料を組み合わせた「バイオインク」を使えば、組織のような3D構造をプリントすることができます。皮膚のような比較的単純な組織でも、内臓のような複雑な構造でも作ることができます。この技術の開発により、レシピエント自身の組織から臓器移植を行うことが可能になます。すなわちドナーが不要となり、拒絶反応の可能性もなくなります。また、薬物試験や疾患モデリングにも応用できるでしょう。これは倫理的な配慮を要する複雑なプロセスではありますが、将来の医療に革命をもたらす可能性を秘めています。