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出典:© www.istockphoto.com - joephotographer.

最先端の真空テクノロジーによるレタスの確実な予冷

Heekeren GbR

葉物などの野菜を収穫後すぐに真空冷却することは、これらの食材を素早く確実に冷やすための一般的な方法です。これによって、長期間にわたる保存において製品の高い品質が保証されます。

適切な冷却を実現するために、Heekeren GbRは、アイスバーグレタスの予冷にBusch Vacuum Solutionsの最新型COBRA PLUSスクリュー真空ポンプの利用を開始しました。

このテクノロジーのメリットは多岐にわたります。
まず、真空ポンプが周波数制御されているため、実際の需要に応じて出力を調整することができるほか、冷却時間の短縮や省エネも実現できます。さらに、ドライ式で運転されるため、真空ポンプ内に吸引された水蒸気がオイルに混入することがなく、メンテナンスの手間を大幅に軽減できるというメリットがあります。

Heekeren GbRについて

Jörg Heekeren氏は、アイスバーグレタスの栽培に特化してビジネスを展開しました。

同氏の会社は、1シーズンで1,000万個以上のアイスバーグレタスを生産しているほか、 ロメインレタスなど、他の品種のレタスも栽培しています。レタスの多くはドイツ国内に卸されており、最終的にはディスカウントストアやスーパーマーケットチェーンを通じて消費者の手に渡ります。

真空乾燥プロセス

品質を落とさずにできるだけ長く日持ちさせるために、Jörg Heekeren氏は8年前から真空冷却を利用しています。収穫されたレタスは、すぐにコンテナに入れられ、パレットに載せられて真空チャンバーに運ばれます(図1)。
真空チャンバーは、レタスのコンテナを積み重ねたパレットを11台収納できるようになっており、その高さは3mにも及びます。

ローラーコンベヤを利用してチャンバーにパレットが運び込まれたらチャンバーを閉じ、その中を真空にします。つまり、チャンバー内の空気を抜いていくということです。真空によってレタスの水分が、葉などに付着している分も含めて蒸発し始め、水蒸気としてチャンバーの外に抽出されます。水が気体に変化する際に周囲の熱を奪う現象を利用し、レタスを冷却する仕組みです。

外気温や分量にもよりますが、このプロセスの所要時間は20分から35分程度です。この方法のメリットは、レタスを3℃まで急速冷却できるという点以外にも、内側から冷やすことにより、さらにプロセスをスピードアップできるという点にあります。しかも、従来の空冷式と比べて水分の損失が少なく抑えられます。

必要な冷却温度に達したら真空チャンバーに空気を入れてレタスを取り出し、その後冷蔵倉庫に運んで中間貯蔵します。ここで真空テクノロジーの課題となるのは、真空チャンバーから空気と一緒に水蒸気も吸引するという点です。そのため、空気と水蒸気の混合物は、真空ポンプで吸引する前に、冷却トラップに通します。ここで空気を冷却し、水蒸気を凝結させます(図2)。
このプロセスの目的は、下流にある真空ポンプに水蒸気が入り込まないようにすることです。真空チャンバーの大きさを考慮し、Heekeren社ではオイル潤滑ロータリーベーン真空ポンプ3台を並列に接続していました。この設計では、水蒸気が冷却トラップで完全に凝縮しきれず、水分が真空ポンプ内の潤滑オイルに混入することで問題が起きます。その結果として、オイルやフィルターの交換が必要となり、メンテナンスの手間が増えるからです。

プロセスの改善

このような状況を受けて、Jörg Heekeren氏はシステムの改善策を模索していました。真空冷却システムのサプライヤーやBusch Vacuum Solutionsとの協力を通じて、解決策が得られました。

4月の収穫期のはじめにCOBRA PLUSスクリュー真空ポンプを設置し、レタス生産の全期間を通してテストできるようにしました。このタイプの真空ポンプでは圧縮チャンバー内の潤滑剤が不要のため、水蒸気によって問題が起こることはありません

COBRA PLUSは、10月末までのシーズン全体を通じて問題なく稼働し続けました。メンテナンス作業も必要なかったため、 メンテナンス作業や摩耗部品にかかるコストも発生しませんでした。

周波数制御のメリット

COBRA PLUSは周波数制御が可能なため、排気速度を実際に需要に合わせることができます。つまり、真空チャンバーの排気の開始時などできるだけ多くの空気を素早く抽出したいときにはモーターが高速で回転し、 チャンバー内の圧力が下がったら、真空ポンプは自動的に減速します。これには、需要に関係なく常にフル回転している無制御のモーターと比べて、消費電力が少ないというメリットがあります。
需要に関係なく常にフル回転している無制御のモーターと比べて、消費電力が少なくなります。
50ヘルツでの定格モーター出力18.5kWで、COBRA PLUSは22kWの無制御モーターで駆動していたロータリーベーン真空ポンプより少ない電力で駆動することができます。

COBRA PLUSの制御は、システム全体の制御と連動しています。オペレーターがスタートボタンを押すだけで、冷却プロセス全体がすべて全自動で行われます。

また、デマンド式の制御により、冷却時間の短縮も実現しました。つまり、真空冷却システムの能力が高まったと言えます。

Jörg Heekeren氏にとって、COBRA PLUSは、レタスの品質を損なうことなく長期間の保存を可能にする理想的な真空ポンプです。