メンテナンスの手間を軽減する先進的真空生成

高品質、低メンテナンス、低コスト - これらの全てが実現可能であることを、Busch Vacuum Solutionsの2つの標準真空システムが、ドイツのチューリンゲン州、ヘルムスドルフにある磁器工場で実証しました。真空システムは、押出成形機の脱ガスに使用されています。

ヘルムスドルフでは1890年から工業用セラミックス製品が作られています。かつては高電圧絶縁体、現在は熱交換器、換気装置、排気ガス制御システム用のセラミックスハニカム体です。革新的な素材、製品、そして最先端の製造工程を開発し、常に時代に対応してきました。Buschの新しいSIMPLEX真空システム2基を、セラミックスの脱ガス工程に採用したのもその一環です。2021年に4台のオイル潤滑ロータリーベーン真空ポンプをシステムに置き換えて以来、4本の押出成形ラインに必要な真空を供給してきました。現在、100人以上の従業員が歴史ある磁器工場で働いています。

穴は1600、気泡はゼロ
するするとスクリューから押し出されてきたセラミックスは細長く、四角い断面で、まだ水分を多く含みます。1.5メートル押し出されたところで一区切りです。慎重に切り落とし、大きなラックに置いて乾かします。この作業は3交代制で続けられます。約9日後、残留水分が1%になるまで乾いたところで、1,200度のオーブンで焼成します。薄い隔壁で囲まれた1,600個の細孔は蜂の巣のようで、精密で均整のとれた形状です。セラミックスに気泡が巻き込まれていると、燃焼プロセス後にこの形状を維持することができません。オーブンの熱で気泡が膨張し、ハニカム体が破裂する原因となるからです。このため、事前にBuschのSIMPLEX真空システムでセラミックスを脱ガスする必要があります。制御盤とバッファタンクの間に配置されているのは、ドライクロー真空ポンプのMINK MV Synchroです。他の真空ポンプでは課題となる、水分を多く含んだペースト状の材料も、このポンプなら難なく扱えます。これこそが、押出成形機の脱ガスに特化し開発されたシステムの特長です。

スラッジ状の物質なし
これまで使用されていたオイル潤滑式ロータリーベーン真空ポンプは、プロセス条件に適していませんでした。「オイルは水蒸気と混ざるとすぐ乳化してしまいます。騒音が大きく、臭いがあり、フィルターがしょっちゅう詰まっていました。その結果、過度の摩耗とポンプの故障が生じました。月に一度、フィルターとオイルを交換しなければならず、それはドロドロして気持ちいい作業とは言えませんでした」と、Porzellanfabrik Hermsdorf GmbH s社の専務、Christian Ferber氏は言います。Buschの新しいSIMPLEX VO真空システムは、まったく異なります。圧縮チャンバーにオイルを必要とせず、実質的にメンテナンスフリー、運転音が静か、そして周波数制御。従来のポンプは常時稼働し、エアバルブで手動制御する必要がありました。Buschの新しい真空システムは、自動的に所定の真空レベルに調整され、真空が不要になると停止します。「最初はテスト目的でBuschのレンタルシステムを利用したのですが、すぐに良さが分かりました。その後購入したSIMPLEXシステムに、現在も満足しています。メンテナンスの面でも、新しいシステムで本当に楽になりました」とChristian Ferber氏は言います。

Hermsdorfから世界へ
エネルギー消費とメンテナンスの多い4台の古いオイル潤滑ポンプに代わる、省エネでメンテナンスの極めて少ない2つの乾式標準システム：「ブッシュのアドバイスは的確でした。おかげで、年間1万kWhを節約できました。設置以来、2 つの真空システムはトラブル無く稼働しています。以前のポンプとは比較になりません」とChristian Ferber氏は言います。Buschの新しい真空ソリューションで作られた、様々なサイズの高品質なハニカム体が、毎月80,000から90,000個、ヘルムスドルフの工場から出荷されています。パッシブハウス(省エネ住宅)の換気システムや、大型コンテナ船やクルーズ船のアフターバーナーの効率的な熱回収とクリーンな排気に、貢献しています。