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図1:運用マネージャーのErland Rasmussen氏は、周波数制御付きのMINKクローコンプレッサーを使ったソリューションを選びました。サンドトラップのエアレーションに理想的な選択です。出典:Busch Vacuum Solutions。

サンドトラップの効率向上に、制御機能を備えたクローコンプレッサーが貢献

ケルテミンデ市の下水処理プラント

デンマークのケルテミンデ市の下水処理プラントでは、1993年の運用開始以来、エアレーションサンドトラップが使用されています。しかし、サンドトラップの沈殿槽から砂を汲み上げるのに苦労していました。砂が圧縮され、エアリフトポンプでも取り出せないほど詰まるためです。この問題は、プラントにBusch Vacuum Solutionsの MINKクローコンプレッサー が設置されたことによって解消されました。このコンプレッサーは圧力制御されており、底で固く圧縮された砂を引き上げるために自動的に圧力を上げます。

廃水浄化プロセス

廃水処理プラントにおける最初の工程はエアレーションサンドトラップです。これは最適かつ経済的な廃水処理のために重要な処理工程です。砂やその他の鉱物を分離することにより、下流のプロセスや設備を摩耗や詰まりから守り、堆積も防ぐことができます。デンマークのフュン島にあるケルテミンデ市の下水処理プラントのサンドトラップシステムでは、1台のコンプレッサーが2つの目的を果たしています。通常運転中は、床に取り付けられたノズルを使用してサンドトラップ内の廃水に空気を通します。この空気の流れは廃水を循環させ、機械的に砂をグリースやその他の有機浮遊物などから分離します。同じコンプレッサーが、エアリフトポンプに圧縮空気を供給する目的でも使用されています。エアリフトポンプは、サンドトラップから砂を汲み上げ、収集タンクに送るために使用されます。

処理能力に関しては、ケルテミンデ下水処理プラントは25,000人分の人口相当量(PE)を処理するように設計されています。1993年の運用開始より、サンドトラップにはターボブロワーを使用して圧縮空気を供給していました。このブロワーの最大吐出圧力は0.6 barで、廃水を循環させ、砂とグリースを分離するには十分でした。しかし、オペレーションマネージャーのErland Rasmussen氏(図1)は、別の問題を抱えていました。サンドトラップの沈殿槽に溜まった砂は圧縮され、固まってしまいます。ターボブロワーの圧力が足りず、エアリフトポンプでその砂を汲み上げることができませんでした。雨天時には廃水中の砂の量が増えるため、この問題がさらに悪化しました。砂を取り除くには、サンドトラップを止め、堆積した砂をまず手作業でほぐしてから吸引タンク車で汲み上げるしかありませんでした。これには1~2日かかることが多く、その間はサンドトラップを使用することができません。しかも、この作業を年に数回外部に委託すると、莫大なコストになります。

Buschのコンプレッサーソリューションとそのメリット

Erland Rasmussen氏は改善策を模索する中、2014年、真空と加圧の専門知識を持つBusch Vacuum Solutionsにアドバイスを求めました。その結果、既存のターボブロワーに代えてBuschのMINKクローコンプレッサー(図2)を設置することになりました。このクローコンプレッサーは 周波数制御機能を備えるため、回転数を調整し吐出圧力を変化させることができます。その動作原理から、MINKクローコンプレッサーは、20~60ヘルツの範囲で運転することが可能で、吐出圧力は0.4~2.5 barの範囲となります。PLC制御システムを使用し、サンドトラップを40分間エアレーションし(図3)廃水を循環させるようコンプレッサーを設定しています。Erland Rasmussen氏は、砂とグリースの分離に最適な吐出圧力は0.6 barであると算出し、そのようにシステムをプログラミングしました。40分経過すると、バルブが自動的に切り替わり、MINKクローコンプレッサーの吐出圧力が2.5 barに引き上げられます(図4)。これにより、サンドトラップの底部の砂がほぐれ撹拌され、エアリフトポンプで簡単かつ安全に汲み上げられるようになります。こうして回収した砂は収集容器に運ばれます。5分間砂を汲み上げると、エアレーションシステムの制御ユニットが標準モードに戻り、砂とグリースの分離が実施されます。
Erland Rasmussen氏は、他にもメリットが1つあることに気づきました。それは、MINKクローコンプレッサーは、以前のターボブロワーと比較して消費電力が大幅に低いということです。MINKクローコンプレッサーに搭載されるモーターは9kWです。定格出力に達するのは、2.5 barモード始動時の、約5分間程度の短い時間です。0.6 barの吐出圧力で運転する40分間の標準モードでは、わずかな電力しか必要とされません。下水処理プラントの運営事業者にとって、この新しいソリューションの導入は2つのメリットがありました。手作業による砂の除去コストの削減と、エネルギーコストの削減です。Erland Rasmussen氏は、運転音にも言及しています。MINKコンプレッサーは回転数が低いため、これまで使用されていたターボブロワーよりも格段に静かになりました。