砂やその他の無機物を分離することにより、下流のプロセスや設備を摩耗や詰まりから守り、堆積も防ぐことができます。

図1:ポッペンヴァイラー廃水処理施設のサンドトラップは1976年から稼働しています。出典:Busch Vacuum Solutions。
クローコンプレッサーによるサンドトラップの分離効率の向上
ポッペンヴァイラーの廃水処理施設
廃水処理施設の第一ステップであるサンドトラップは、最適で経済的な廃水処理のための重要な工程です。
砂やその他の無機物を分離することにより、下流のプロセスや設備を摩耗や詰まりから守り、堆積も防ぐことができます。ドイツのルートヴィヒスブルク郡にあるポッペンヴァイラー地区の廃水処理施設では、サンドトラップ向けにBusch Vacuum Solutionsの周波数制御MINKクローコンプレッサーを採用し、砂、グリース、オイルの分離効率を最大化しました。この実現にあたり、サンドトラップの形状に手を加える必要はありませんでした。
ポッペンヴァイラーの廃水処理施設
ポッペンヴァイラーの廃水処理施設の処理能力(PE)は31,000人分です。ルートヴィヒスブルク郡の下水サービスは、他にエーグロスハイム地区(18,500 PE)とホーエネック地区(167,000 PE)の廃水処理施設もカバーしています。この廃水処理施設は1976年に稼働を開始し、1994年から1996年にかけて大規模な拡張と近代化が行われました。近代化の理由は、古い廃水処理施設が、主に窒素とリンの分解に関して、浄化性能の要件を満たすことができなくなったためです。さらに2つのコミュニティー(アファルターバッハとマールバッハ-ジーゲルハウゼン)も、ポッペンヴァイラーの廃水処理施設に接続されました。現在では、処理能力31,000人分のこの廃水処理施設で、342ヘクタールの住宅地に対応しています。
1976年に設置された長さ15メートルのサンドトラップ(図1)は現在も使用されています。1990年代の拡張および近代化では、このサンドトラップの拡張が行われず、性能の限界に達していました。性能の限界は、一次浄化槽と下流のエアレーションタンクに砂が堆積したことによって露見する形となりました。これを受けて、ルートヴィヒスブルク郡の廃水サービスで3つの廃水処理施設を担当する運用マネージャー、Walter Eichinger氏は、サンドトラップの分離性能をできる限り経済的な方法で最適化するソリューションを探し始めました。
ドイツ水 廃水 廃棄物協会(DWA)のガイドラインに基づき、ルートヴィヒスブルク郡廃水サービスのプロジェクトマネージャーであるHelmut Riegraf氏は、有機浮遊物から砂や油、グリースなどの浮遊物を最適に分離できるサンドトラップのサイズを計算しました。その結果、流速を抑えて最適な分離を実現するにはサンドトラップを少なくとも3メートル長くする必要があることが分かりました。Walter Eichinger氏とHelmut Riegraf氏は、サンドトラップタンクの拡張には相当な建設コストとダウンタイムが伴うため、エアレーションを用いて廃水の循環を最適化する方法を検討しました。
彼らは、空気の流量を変えることで、廃水内の回転速度によって生じる乱流の運動エネルギーを変えたいと考えました。そこで、流速を利用して、曝気によって引き起こされる廃水の垂直循環とその前進運動に影響を与えようとしました。
Buschの加圧ソリューションとお客様にとってのメリット
既に設置されていたロータリーブロワーは調整ができず、0.5barの圧力で一定の風量を供給していました。Walter Eichinger氏はまずBusch Vacuum Solutionsに相談しました。ブッシュの提案は、外付けの可変速ドライブを搭載したMINKクローコンプレッサー(図2)の採用です。このコンプレッサーも0.5 barの一定の圧力を供給しますが、風量は周波数コンバーターで制御し、既存のサンドトラップの要件に合わせた調整ができます。クローコンプレッサーの動作原理を活用することで、生成される圧力に影響を与えることなく、20~60ヘルツの範囲で調整が可能となります。
彼らは、空気の流量を変えることで、廃水内の回転速度によって生じる乱流の運動エネルギーを変えたいと考えました。そこで、流速を利用して、曝気によって引き起こされる廃水の垂直循環とその前進運動に影響を与えようとしました。
Buschの加圧ソリューションとお客様にとってのメリット
既に設置されていたロータリーブロワーは調整ができず、0.5barの圧力で一定の風量を供給していました。Walter Eichinger氏はまずBusch Vacuum Solutionsに相談しました。ブッシュの提案は、外付けの可変速ドライブを搭載したMINKクローコンプレッサー(図2)の採用です。このコンプレッサーも0.5 barの一定の圧力を供給しますが、風量は周波数コンバーターで制御し、既存のサンドトラップの要件に合わせた調整ができます。クローコンプレッサーの動作原理を活用することで、生成される圧力に影響を与えることなく、20~60ヘルツの範囲で調整が可能となります。
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図2:サンドトラップのエアレーションに利用されるMINKクローコンプレッサー。出典:Busch Vacuum Solutions。
Buschの新しいMINKクローコンプレッサーを使用して、Walter Eichinger氏は数週間にわたりテストを行い、サンドトラップの最適な分離効率を達成しました。最終的に、コンプレッサーを35ヘルツで運転することで最良の結果が得られ、これは廃水の汚染状態や流速の影響をほぼ受けないという結論に達しました。廃水量が多い場合は、砂を吸引する間隔を増やすだけで対応することができます。MINKクローコンプレッサーは、大幅に静音化されていますが、それまで使っていたロータリーブロワーの消音ボックス内に設置されました。周波数コンバーターは壁面に取り付けられ利用しやすく、必要に応じてボタンを押すだけで速度を変更できるようになっています。
このソリューションでは、サンドトラップ(図3)の全長に沿って深さ2.90メートルの位置に取り付けられたノズルを使い、必要な量だけの空気を供給します。廃水の回転運動は循環速度で調整され、砂やその他の無機物がタンク内のサンドトラップ槽に沈殿するように制御されています。同時に、有機物は浮遊したままサンドトラップを出て、一次沈殿池を経由してエアレーションタンクに入り、そこで脱窒に利用されます。送気が不十分で転動運動が弱すぎると、タンクの底やサンドトラップ槽にスラッジの形で有機物が意図せず堆積する可能性があります。油脂やその他の浮遊物質の分離も改善され、それらはグリストラップの上部に浮かび、すくい取ることができるようになりました。
このソリューションでは、サンドトラップ(図3)の全長に沿って深さ2.90メートルの位置に取り付けられたノズルを使い、必要な量だけの空気を供給します。廃水の回転運動は循環速度で調整され、砂やその他の無機物がタンク内のサンドトラップ槽に沈殿するように制御されています。同時に、有機物は浮遊したままサンドトラップを出て、一次沈殿池を経由してエアレーションタンクに入り、そこで脱窒に利用されます。送気が不十分で転動運動が弱すぎると、タンクの底やサンドトラップ槽にスラッジの形で有機物が意図せず堆積する可能性があります。油脂やその他の浮遊物質の分離も改善され、それらはグリストラップの上部に浮かび、すくい取ることができるようになりました。
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図3:サンドトラップの断面図。出典:Busch Vacuum Solutions。
このようにして、40年以上前のサンドトラップの処理能力を比較的低コストで増強し、砂やその他の無機物が下流の工程に流れ込み、沈殿するのを最小限に抑えることができました。廃水処理施設全体の機能性と信頼性も向上しました。
他にもWalter Eichinger氏が新しいMINKクローコンプレッサーのメリットとして挙げるものがあります:クローコンプレッサーの原理は従来のロータリーブロワーと比較しエネルギー効率が高く、且つIE3省エネモーターを搭載しているため、約33%の省エネが実現しています。メンテナンスは、限定的で、年に1回のオイル交換のみです。これは、Buschのサービスエンジニアが実施しています。
他にもWalter Eichinger氏が新しいMINKクローコンプレッサーのメリットとして挙げるものがあります:クローコンプレッサーの原理は従来のロータリーブロワーと比較しエネルギー効率が高く、且つIE3省エネモーターを搭載しているため、約33%の省エネが実現しています。メンテナンスは、限定的で、年に1回のオイル交換のみです。これは、Buschのサービスエンジニアが実施しています。