ブラウザを更新してください。

お使いのMicrosoft Edgeブラウザは最新版ではありません。Buschのウェブサイトを十分にご活用いただくには、ブラウザの更新が必要です。

image_success_story_lorenz_hoffmann_1

フライス工具でワークから金属の切りくずを除去します。出典:Lorenz Hoffmann GmbH。

真空を利用したCNCフライス加工の絶対的な精度

Lorenz Hoffmann GmbH

年間3,500 kWhの省エネ、メンテナンスの手間もほぼなし、廃熱を暖房に利用することも可能。そして妥協のない精度も実現。機械メーカーのLorenz Hoffmannは、CNCマシンの真空供給をBusch Vacuum Solutionsのドライスクリュー真空ポンプに変えたことで、さまざまなメリットを実感しています。
フライスカッターが始動し、冷却液が噴霧され、金属の切り屑が飛び散ります。Lorenz Hoffmann GmbHの工場内では、真空で固定された金属片の上をミリ単位の精度でフライス加工の工具が移動していきます。ドイツ、ヴュルツブルク南部のクレスベルクに本社を置く同社は、2代目のAndreas Hoffmann氏とChristina Hoffmann氏によって経営されています。機械製造などを目的としたプロトタイプ制作に、最新の機械と高精度のCNC加工機を採用しています。これらのCNC加工機の制御は、ワークごとに用意されたプログラムで行われます。プログラムによって、Lorenz Hoffmann GmbHでは、人間の毛髪の太さにも満たない公差で機械部品を製造することが可能になります。これを実現するために、フライス工具は指定された輪郭に沿って移動しながら、最大で毎分40,000回転します。複雑な形状の部品が、金属のブランクから作られます。フライス加工で要求される最高レベルの精度を満たすためには、加工プロセス中にワークが100分の1ミリメートルでさえずれないようにする必要があります。そこで、真空を使いワークを固定します。具体的には、真空ポンプに接続された吸着テーブルで固定します。

プロトタイプ、小規模生産、そのまま組み込めるコンポーネント
Lorenz Hoffmann GmbH社は、40名の従業員を擁し、40年以上にわたって各種業界向けのプロトタイプ、小規模生産、組み込み用コンポーネントの製造を行ってきました。顧客には、機械、自動車、医療機器産業のほか、木材や食品業界も含まれています。様々な顧客のニーズに柔軟に対応するために、経験豊富なエンジニアと技術者は常にプロセスと技術の開発を続けています。同社を1点ものやプロトタイプ、小規模生産のリーディングカンパニーに押し上げたのは、絶対的な精度を強みとする高い生産品質です。そこで欠くことができないのが、Busch Vacuum Solutionsの真空技術を使ったワークの固定です。さらに、固定に真空を使用することで、セットアップコストも大幅に削減できます。
エネルギー消費量の削減、品質の向上
これまで同社は、4台のCNCフライス加工機械それぞれに真空ポンプを1台ずつ使用していました。常務のAndreas Hoffmann氏は真空供給を最適化に取り組み、4台のオイル潤滑ロータリーベーン真空ポンプに代え、1台のドライスクリュー真空ポンプ、COBRA PLUSを導入しました。Buschのアドバイスに基づき、1台の真空技術で4台のフライス加工機をカバーできるように配管でつなげています。「以前は4台のオイル潤滑ロータリーベーン真空ポンプを使っていました。そのときと比較し、COBRAの採用で、年間3,500 kWh節約することができました。そのうえ、ホールド力もアップしました」とHoffmann氏は語っています。COBRA PLUSは速度制御式であるため、実際の需要に合わせて出力が調整されます。そのため、モーターが常に最高回転数で動作する制御非対応の真空ポンプよりもエネルギー消費が少なくなります。「COBRAは自動制御され、その時点で必要な分だけ出力します。たとえば、フライス加工機を1台しか使っていない場合、複数台同時に稼働しているときよりも、COBRAは低い回転数で動作します」とHoffmann氏は説明します。COBRA PLUSは高度な制御および監視機能を備えたフルネットワーク対応の真空ポンプです。カラータッチスクリーンには、消費電力、真空レベル、モーターの回転数などが表示されます。Andreas Hoffmann氏は、真空供給を常に監視できるという点に満足しています。
より良い作業条件、低メンテナンス
Buschのスクリュー真空ポンプCOBRAの動作原理は完全に非接触式です。従って圧縮チャンバーにオイルは必要ありません。「COBRAに切り替えて以来、オイルやエキゾーストフィルターなどを交換する必要がなくなりました。年間約4営業日分のメンテナンス作業時間が節約できる計算です。これまでCOBRAは故障することなく稼働しており、メンテナンスもまったく必要ありませんでした」と、常務は語っています。さらに、COBRA PLUS の運転音は、従来の4台の真空ポンプと比べて大幅に静かです。COBRAに置き換えて以来、工場内がかなり静かになりました。従業員にとっては、作業環境が大幅に改善されることを意味します。「以前は、最大で4台のポンプがそれぞれ72デシベルで稼働していました。COBRAの運転音は63デシベルです。今は騒音が半減し、労働環境がずっと快適になりました」とHoffmann氏は評価します。

物の暖房に廃熱を利用
Andreas Hoffmann氏が重視するのは、生産活動の持続可能性とエネルギー効率です。常に改善の余地を探っています。COBRAへの切り替えによって、この新しい真空ポンプの廃熱を暖房に利用するチャンスが生まれました。実現を目指し、Hoffmann氏はチームと共に熱回収システムを開発しました。「COBRAは水冷式です。温められた冷却水がエアヒーターを通過します。こうして工場を暖房しています」と、常務は説明します。エアヒーターはファンとサーモコイルを備えています。冷やされた水は再びCOBRAで使われます。廃熱の利用で、暖房用燃料を大幅に削減することができました。「夏季は、廃熱を屋外に誘導し、 冬季は製造施設内に留めます。結果として、気温の高い時期でも工場の室温を大幅に下げることができるようになりました。これまで夏の工場内は酷い暑さになっていました」とHoffmann氏は付け加えました。

BAFAの助成金
ドイツでは現在、エネルギー効率の高い技術の推進が進められています。Buschは、連邦経済・輸出管理庁(BAFA)への助成金申請もサポートしました。結果として、Lorenz Hoffmann GmbHは新しい真空ポンプの購入コストの40%を助成金で賄うことができました。
Andreas Hoffmann氏は特にエネルギー面でのメリットを喜んでおり、COBRA PLUSによって実現した熱回収システムを誇りに思っています。「COBRAの導入は、私たちにとって二重の意味で価値がありました。消費電力が以前よりも低くなったことに加えて、真空ポンプの廃熱を冬季の暖房にも利用できるようになりました。」