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風力エネルギーには軽さと大きさが必要

真空を活用して安定したローターブレードを生産

最新の風力タービンの巨大なブレードの組み立てやプリフォームにはさまざまな材料が使用されます。さらに材料を合成樹脂で接着してサンドイッチ構造にすることで耐久性を高めます。 Busch の真空ポンプはこのプロセスで活躍しています。

ロジスティクス上の大きな課題は、風力タービンのローターブレードを工場から設置場所まで輸送することです。風車のブレードはまさに巨大。風力発電が大ブームとなった2000年代初期、ローターブレードの長さは平均約25メートルでした。現在では、陸上発電設備では約70メートル、洋上では80メートル超となっています。

重力加速度の18倍

最も大きなブレードでも重量が25トンを超すことのない軽量設計ですが、極めて高い耐久性を持ちます。ローターの先端部では風速が時速350km以上にもなり、遠心力は重力加速度の18倍に相当します。発電量を最大化するには、この巨大な翼のゆがみを最小限に抑える必要があります。強度は、材料と製造工程で決まります。ガラス繊維や炭素繊維でできた不織布をバルサ材や発泡体で補強し、合成樹脂を含浸させて焼き固めます。

デガッシングと注入

このプロセスで真空は2度利用されます。通常、樹脂には硬化後の複合材の強度を落としたり、次工程にも悪影響を及ぼす小さな気泡が含まれているため、まず樹脂塊のデガッシングが必要となります。そこで、樹脂を真空下に置くことで、すべての気泡を確実に除去します。

2つ目の工程は真空注入です。プリフォームされたコンポーネントを真空フィルムで密封し、空気を抜きます。これで、大気圧により、加熱された液状の合成樹脂がサンドイッチ構造の複合材料にある微小な孔に押し込まれます。これらのプロセスには、 Busch のさまざまな真空ソリューションが利用されています。プリプレグの工程でも真空は必須です。ここでは、組み立てる前に複合材料の繊維マットに樹脂をすでに含浸させてあります。また、高温、高圧下で硬化させる際に樹脂を最適に行き渡らせるため、硬化前には真空によるデガッシングを行います。
ローターブレードを工場から設置場所まで運ぶには

最長のローターブレードは、公海上の洋上タービンで使用されます。巨大なサイズでも、製造工場は通常、港の近くにあるため、輸送は非常に簡単です。製品を船に直接積み込むため、80メートル以上の長さでも問題ありません。

しかし、陸上発電設備用の場合は状況が異なります。一般に設置場所は高速道路から遠く、途中の道路の幅も狭い場合が少なくありません。特に風の強い山間の地域では、急カーブも考慮する必要があります。輸送用トラックに積んだ長さ50~60メートルのローターブレードは、大きな環状交差点でも曲がれず、蛇行した道路や狭い村道の通行は言うまでもありません。

そこで、車体が傾斜する特殊な輸送車が開発されました。後から風力タービンのナセルに取り付けるのと同じ方法で、ローターの基部がこの輸送車に取り付けられます。傾斜機構により、ブレードを自由な角度で設置することができます。ほぼ垂直な状態にすれば、木や橋、架線などの障害物がない場合には、急カーブも走行することができます。いずれにしても、ブレードが前に出ている状態のため、走行速度はカタツムリ並みです。