ブラウザを更新してください。

お使いのMicrosoft Edgeブラウザは最新版ではありません。Buschのウェブサイトを十分にご活用いただくには、ブラウザの更新が必要です。

Paulig Belgiumは、ビーツとトウモロコシを含む12種類のトルティーヤを製造しています。出典:Paulig Belgium。

真空包装コストの削減に貢献する集中真空システム

Paulig Ltd、ベルギー

Paulig Belgium社は年間2万ユーロのエネルギーおよびメンテナンスコストを削減しました。貢献したのは10台の包装機向けにBusch Vacuum Solutionsが設計した集中真空システムです。
ベルギーのルーセラーレにあるPaulig Belgium社の工場に近づくと、焼きたてのトルティーヤの匂いが漂ってきます。工場内では、複数のBusch製真空ポンプが連携し、絶え間ない生産を支えています。通常、1つの包装ラインには3台の真空ポンプが必要です。真空供給の集中化により、真空ポンプの台数とコストを大幅に減らすことができました。
Paulig Belgiumは、デマンド式の集中真空システムにより、年間でエネルギーコストを15,000ユーロ、メンテナンスコストを5,000ユーロ削減しました。


美味しさが溢れる生活のために

Pauligグループは、持続可能な食文化を育てることを使命とする食品・飲料会社です。1876年、フィンランドで輸入食品の卸売業者として設立された同社の製品は、現在、小売業者やケータリング業者を通じて70か国で販売されています。香り高いコーヒーや清涼飲料水から、食欲を誘うテックスメックス料理、スパイス、そしてポップコーンやチップスなどのスナックまで、幅広い製品を製造しています。同社は、13か国で2,300人の従業員を擁し、テックスメックス食品においてはヨーロッパの市場リーダーとなっています。トルティーヤチップス、タコスの皮、ソース、ディップ、調味料までを取り扱っています。
Paulig Belgiumと同グループの7つの製造工場は、2022年よりカーボンニュートラルな生産施設となっています。同社は、プロセスのエネルギー効率を改善したほか、地域暖房や再生可能な電力ガスの源へと移行しました。これらの積極的な行動によって、2014年以来、排出量の98%削減を達成しています。さらなる持続可能性を目指し、このベルギーにある工場では何も無駄になりません:形が不揃いなトルティーヤはすり潰して再利用し、床に落ちたものは動物の飼料にします。

小麦粉からトルティーヤを作る

Pauligでは、12種類のトルティーヤを製造しています。小麦粉、全粒粉からトウモロコシ、ビーツ、チアシードといった種類があります。製造は24時間体制で、毎分の製造量は25枚。年間だと16億枚です。つなぐと地球を8周包める長さになります!

他の成分の中でも、伸びの良い生地を形成するために必要なのが小麦粉、塩、油、水です。これらを混ぜてこねたら、暖かな場所で休ませます。すると均質で強力なグルテンの網目構造が育ちます。その後、生地を正確に分割して丸めます。グルテンを緩めるために、丸めた生地をもう1度休ませ発酵させます。このステップは、品質の高いトルティーヤを作るのに欠かせない工程です。発酵を終えたら、丸めた生地を平らに伸ばして形を整え、オーブンに送ります。200°Cで30分間焼き上げたあとにトルティーヤを冷ますと、重ねても互いに貼り付かなくなります。

真空による安全な包装と輸送

同社は、製品の新鮮さを確保するために、ガス置換包装(MAP)を活用しています。集中真空システムに深絞り包装機が接続されています。熱と真空の力で製品を真空包装します。包装機には、ロール状の包装用フィルムシートが2本用意されています。上下から供給します。下側のフィルムをトレイ状に成形するため、まず所定の温度に加熱します。加熱され柔らかくなったシートが成形ステーションに運ばれ、真空の力でトレイ型に引き込まれます。その後冷却し、でき上がったトレイを金型から取り外します。
トルティーヤラップをトレイに乗せます。真空で包装内の空気を99%除去し、別の機械でそこにCO2N2を注入します。この保護ガスでトルティーヤを酸化や劣化から守ります。最後に2つ目の包装フィルムシートでトレイを密封します。「Buschの真空で、私たちは製品の賞味期限を大幅に延ばすことができ、包装された日と同じくらい新鮮な状態を保つことができます」と技術部門のマネージャーであるRik Vandenbrouckeは述べています。

集中真空システムは、トルティーヤの包装だけでなく、製造施設内での輸送にも利用されています。ピックアンドプレースマシンは、真空を利用してトルティーヤの包装されたパックを丁寧に持ち上げ、段ボールに入れます。箱がいっぱいになると、パレットの上に積みます。箱を積んだパレットは、Paulig Belgiumの顧客に向けて出荷されます。そしてトルティーヤが世界各地のさまざまなスーパーマーケットの棚に並ぶことになります。これをベースにさまざまな美味しい料理が作られます。皆の大好きなブリトー、チーズたっぷりのケサディーヤ、肉、豆、米、野菜などのさまざまな具材の入ったエンチラーダなど、多彩にアレンジできます。また、甘党の方ならば、チョコレートやイチゴをトルティーヤで巻いて楽しむこともできます。

Paulig Belgiumは新工場の建設にあたりBuschの技術者に相談しました。Buschが勧めたのは、分散型の真空システムではなく集中真空システムでした。設計から実装までの全プロセスを通しPaulig BelgiumとBuschは密接に協力し、導入を成功させました。Paulig Belgiumが集中真空システムを選ばなければ、包装ラインごとに3台の真空ポンプが設置されていたことになります。技術部門のマネージャーは、次のように説明してくれました。「Buschと協力し真空供給を一元化することで、プロセスに必要な真空ポンプの数を大幅に削減した上で、真空をいつでも利用できるようになりました。集中真空システムにより、年間のエネルギーコストを1万5,000ユーロ削減することができます。」 従来は圧縮空気で真空を作るエジェクターをピック&プレースに使っていましたが、新システム導入でそれも全て不要になりました。

将来に向けた準備

Pauligはダウンタイムの回避を重要視しています。Rik Vandenbroucke氏は次のように語っています。「当社の製造は24時間365日、5シフト体制で稼働しており、停止するのは年間で2週間だけです。Buschの集中真空システムによって、日常的な製造がスムーズになるだけでなく、メンテナンスの負担も軽減されました。真空ポンプのメンテナンスのために製造を止める必要はありません。また、包装機の内部に真空ポンプを設置しないため、作業も簡単です。」 Paulig Belgiumは、メンテナンスコストを年間5,000ユーロ削減しました。集中システムは別室に設置されるため、製造フロアの熱や騒音も低減されました。

現在、集中真空システムは10本の包装ラインに対応するよう設計されています。システムを構成するのは、9台のR5ロータリーベーン真空ポンプ、3台のPANDAメカニカルブースターポンプ、3台のMINKドライクロー真空ポンプ、バッファタンクです。
更なる省エネのため、それぞれのMINK真空ポンプにBuschの可変速ドライブ(VSD)を装備しています。真空ポンプのモーター回転数を制御し、製造プロセス全体の需要の変動に応じて排気速度を調整します。同社は、さらに7つの包装ラインを製造施設に増設し、合計17の包装ラインを運用していく予定です。真空の活用で、Paulig Belgiumはトルティーヤの生産高を増やし、多くの人々の生活に美味しさを届け続けます。