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出典:Busch Vacuum Solutions.

水封式真空ポンプ - 伝統的かつ最先端の真空テクノロジー

真空テクノロジーは、この数年だけでなく、何十年間にもわたって進化を続け、絶えず発展し続けています。 ドライクロー真空ポンプが幅広い産業分野で業界標準の真空ポンプとしての地位を確立してきたように、 ドライスクリュー真空ポンプは、今では化学プロセステクノロジーやその他の多くの用途で使用されています。 オイル潤滑ロータリーベーン真空ポンプも、テクノロジーの進化を継続し多くのアプリケーションで最先端を行きます。これらは、一般的によく使われる真空ポンプです。
さまざまな新しいテクノロジーや進化が生じる中で、ある特定の用途で昔から変わらず選ばれ続けている真空原理があります。それが、水封式真空ポンプです。
水封式真空ポンプを支える原理は、1890年の時点ですでに、「水環ポンプ (water ring pump)」の形で開発されていました。そのシンプルかつ堅牢な構造のおかげで、水封式真空ポンプ(図1)は、飽和ガスや水蒸気の吸引、あるいは圧縮プロセス中に真空ポンプ内に凝縮液が発生しやすい用途での真空生成に適しています。したがって、これらの真空ポンプは、水分を含む処理に最適であり、生産プロセスにおける低真空の生成、化学工業、石油採掘および精製、蒸気タービン復水器の抽気、プラスチック産業、製紙、食品テクノロジー業界のほか、さまざまな産業用途で使用されています。
動作原理
水封式真空ポンプは、封液として水か、排気するガスまたはベーパーに対応する液体を使用します。エチレングリコール、鉱油または有機溶剤のほか、プロセスに含まれる液体が使われることもあります。サイズやバージョンが違っても、基本原理は同じです。
偏心的に取り付けられたインペラーホイールが円筒形のハウジング内で回転します(図2)。このハウジングは、インペラーのブレードが液体に浸るように封液で満たされています。インペラーホイールの回転とそれによる遠心力によって、ハウジング内の液体はいわゆる液環(リキッドリング)を形成します。吸引されたガスがブレードと液環に囲まれた空間で捕捉されます。偏心した位置に取付けられたインペラーが回転することで、この空間の容積が変化し、ガスの吸引、圧縮、排気が行われます。液環は、ガスの閉じ込められた空間を密封する役目を果たしています。これが、封液と呼ばれる理由です。
メカニズム
封液を使用するこの原理は、低真空領域でしか利用することができません。これは、達成可能な真空レベルが封液の蒸気圧および粘度によって左右されるためです。封液は、真空ポンプに常時引き込まれている状態となります。これによって、水封式真空ポンプは比較的低温での動作が可能となるほか、 ほぼ等温圧縮です。つまり、圧縮プロセスの間でも吸引するガスの温度が上がりにくいということになります。そのため、水封式真空ポンプは、飽和ガスや水蒸気の吸引に最適です。真空ポンプ内が低温であることは、飽和ガスや水蒸気に好条件です。この意味では、この真空ポンプは復水器としての機能も備えていると言えます。気体が真空ポンプに入った時点ですでに凝縮が起こるため、そのボリュームが大幅に減少することになります。その結果、凝縮効果だけでなく、排気速度も向上します。 封液が圧縮熱を発散させることで、凝縮が進みポンプの回転数が上がります。 水封式真空ポンプの大きなメリットの1つは、封液と構成部品の材質をプロセスガスに合わせて変更できるという点です。このため、爆発性のガスおよびベーパーを排気することも可能になります。動作温度が低いため、いずれにしても、他の原理の真空ポンプよりも爆発性ガスの取り扱いに向いていると言えます。
構造
水封式真空ポンプには、1段式と2段式があります。1段式バージョンでは、上述の圧縮プロセスが1回行われます。2段式の真空ポンプ(図3)では、1段目で圧縮されたガスが2段目の圧縮ステージに運ばれ、そこで再度圧縮されます。1段式の水封式真空ポンプの到達真空度は130 hPa(mbar)となり、2段式バージョンでは、最高で33 hPa(mbar)に到達することができます。
サイズにもさまざまなバリエーションがあります。Busch Vacuum Solutionsは、製品ラインナップにさまざまな仕様とバージョンのDOLPHIN水封式真空ポンプを取り揃えており、その排気速度は25~26,500 m3/hと広範囲にわたります。
バリエーション
封液の供給、排出には3つの方法があります。

1. ワンパスシステム(非循環)
これは、水封式真空ポンプの最もシンプルな運転方法であり、封液が制限なく利用できる場合の選択肢となります。圧縮ステージには常時新しい封液が供給されます。ガスの排気と共に、封液は凝縮液と一緒に排出されます。

2. 部分循環システム(開回路)
部分循環システム(図4)では、封液は真空ポンプを出ると、ガスとともに気水分離器に誘導されます。ここで、液体とガスが分離されます。ガスは排出されるか別の場所へ移送され、新しい封液が気水分離器に供給されます。こうすることでシステム内の封液量が一定に保たれ、温度の上昇が起こらなくなります。この部分循環システム(開回路)は非循環のワンパスシステムと比較し、封液を最大で50%節約することができます。
3. 完全循環システム(閉回路)
完全循環システムの場合も、真空ポンプの下流に気水分離器があります(図5)。ガスは気水分離器から排出され、封液は熱交換器を通ってから真空ポンプに戻されます。このように、封液は常に冷却されています。このシステムでは封液を最大95%節約できます。つまり、気水分離器経由で追加する新品の封液の量は、ごくわずかで済むということになります。したがって当社では、封液の供給量が十分確保できない場合や、封液コストを抑えたい場合には、完全循環システムをお勧めしています。
カスタムメイドの真空システム
水封式真空ポンプは、真空システムおよび設備の中のモジュールとして使用するのに最適です。スチームジェットと組み合わせれば、真空到達度をさらに下げることも可能です。用途に合わせカスタマイズした真空システムは、技術的にもコスト的にも最善のソリューションとなります。Busch Vacuum Solutionsは、長年にわたりこのようなシステムの設計、製造の実績を積んできました。当社のシステムは、世界各地の化学プロセス、石油精製、発電およびその他多くの分野で経済的かつ安全に運用されています。BuschのDOLPHIN水封式真空ポンプの各サイズには、別途ATEX認証バージョンもご用意しております。