陸上養殖における死魚の衛生的な回収
Osland Settefisk SA
ノルウェー、ビョルダル
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15.03.2017
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4分
Osland Settefisk SAは、ノルウェーのソグネフィヨルドに位置するビョルダルの養殖施設およびさまざまな海上いけすで
年間8,500トンの魚を生産しています。2016年6月より、
養殖専用の建物内で最新のRAS(
循環式陸上養殖システム)が運用されています。ここでは、サーモンが孵化してから2年程度まで育てられています。Osland Settefiskは、水槽から死魚や汚染物を衛生的に取り除くために、Busch Vacuum Solutionsの空気式回収ユニットを設置しました。
Osland Settefiskは、死魚を衛生的に除去し処理するため、Busch Vacuum Solutionsの空気式回収ユニットを導入しました。
Osland Settefisk社
1987年に設立されたOsland Settefiskは、サーモンとニジマスの養殖を専門としています。ビョルダルの施設では、
屋外の設備で年間3,500トンのニジマスが養殖され、食用に出荷されています。ニジマスの卵は自社製ですが、サーモンの卵は購入し、孵化場にて孵化させます。その後、稚魚が10グラム程度になったら小さめの水槽に移し、さらに40~50グラムまで育ててからより大きな生育用の水槽に移します。
毎年、この施設で350万匹のスモルト(海水への適応力がついた稚魚)が養殖され、その後トラックで水槽付きの漁船へ移されると、海上のいけすに運ばれ放されます。そこでサーモンは、食用に適した4~6kgまで育てられます。Osland Settefiskは、このようにして育てた生魚を水産加工場向けに販売しています。
同社の多くの顧客と同様に、Osland Settefiskは
Norwegian Salmon Groupの一員です。ここでは、水産業者から最終製品までの養殖、給餌、加工において、一貫して厳しい品質ガイドラインが守られることから、
より高い品質基準の魚が生産されるのです。
死魚の回収に適した当社のソリューション
業務マネージャーのKjetil Rørtveit氏は、死魚を餌場や生育用の水槽から素早く衛生的に回収するための技術的ソリューションを探していました。最終的にノルウェーのドローバックを拠点とするBusch Vacuum Solutionsがそれを提供することになりました。開発した
回収システムは水槽の隣室に設置されました。
- 死んだり傷ついたりして水槽の底まで沈んだ魚は、常に水とともに取り除かれます。
- それらの魚は回収タンクまで運ばれ、その後、水だけが水槽に戻されます。
- タンク内に回収された魚が溜まったかどうかは常にチェックが可能です。
- 回収された死骸は網を使って手作業で取り出し、タンクのすぐ隣にあるフィーダーに投入します(図1)。
各タンクのフィーダーは、配管で別室にある回収システムに接続されています(図2)。この主な構成要素は、サイクロンセパレータータンク、
R5ロータリーベーン真空ポンプです。Buschのこの真空ポンプが
常時配管内を真空に維持しています。
- 魚をフィーダーに入れてバルブを開くと、素早く配管に引き込まれ、サイクロンセパレーターに運ばれます。
- サイクロンセパレーターは一定のレベルまで溜まると、上流のバルブが閉じ回収システムから切り離され、大気圧まで通気されます。
- 下流のバルブが開き、下に設置されている容器に魚が入る仕組みです。
- 魚はそこで細断され、定量のギ酸とリグノスルホン酸の混合物と混ぜ合わされます。
こうすることで
pH値を制御し酸化を遅らせることができます。ここでできた物質は食品生産の副産物として使用されるため、ミキサーから自動で輸送用容器に移されます。Krüger Kaldnes社がRAS全体を設計し、完成させました。Buschの真空スペシャリストがKrüger Kaldnes社のエンジニアと密接に協力し、回収システムの設計に携わりました。
新しい回収システムのメリット
Buschがお客様に合わせ設計する回収システムは、あらゆる規模の養殖施設でご利用いただけます。
Buschがお客様に合わせ設計する回収
システムは、あらゆる規模の養殖設備でご利用いただけます(図3)。システムはRASの制御に接続され、設備の運転制御と完全に一体化しています。Osland Settefiskには、死魚用のフィーダーが合計で4か所設置されています。
回収ステーションまでの距離は最長で50mあります、 回収用配管はPVC製で、直径は110 mmです。この設備の規模に合わせ、Busch Vacuum Solutionsは
1時間あたりの排気速度が100m3の
R5ロータリーベーン真空ポンプを選びました。この真空ポンプのサイズ展開は豊富で、回収システムの要件やサイズに的確に合わせることが可能です。
システム制御により、比較的小型の真空ポンプを使うことができるため、
エネルギー消費量の面でもプラスの効果が得られます。
ノルウェー、ビョルダル
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15.03.2017
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