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図1:深絞り包装機での鶏ソーセージの包装。出典:Busch Vacuum Solutions.

R5による鶏ソーセージ包装の効率性向上とサイクルタイムの削減

Drobimex Sp. z o.o.は、2つの製造施設を持つポーランド最大の鶏肉製品メーカーの1つです。ゴレニュフの加工工場では、さまざまな種類の鶏肉ソーセージが製造されています。各種鶏肉製品は、Buschの集中真空供給に接続された深絞り包装機を備えた3つの包装ラインで包装されます。これにより、ガス置換包装による安全で経済性の高い包装が実現しています。
ゴレニュフのDrobimex社では、新鮮な鶏肉の骨を抜き、さまざまな種類のソーセージに加工しています。トレーにガス置換包装で詰められた小分けのソーセージが生産の大部分を占めています。ソーセージ製品は、合計3つの包装ラインで包装されています(図1)。これらは、2015年に新設された製造施設の建物に設置されています。Drobimex社は、新規建設プロジェクトで、真空ポンプを包装機に直接取り付けたり、包装機の中に組み込むという従来の方法をやめ、Busch Vacuum Pumps and Systemsの集中真空システム(図2)を導入することを決定しました。このような決定に至った理由の1に、同じPHWグループに属するドイツのリートベルクにある養鶏会社、Wiesenhof社の勧めがありました。Wiesenhof社ではすでにBuschの真空ポンプを使った集中真空システムを運用しており、省エネや信頼性の面で成果を上げていました。このような勧めを受けてMaintenance ManagerのAndrzej Kaźmirski氏は、Buschのポーランドの販売会社に直接連絡をとり、最終的にはドイツのBuschの本社工場と協力してDrobimex社向けにカスタマイズされた集中真空システムを設計し、導入しました。この過程で課題となったのは、製造および包装室の室外の狭いスペースに収まるようシステムを設計することでした。Andrzej Kaźmirski氏にとっては、室温の低い製造スペースの外に真空供給を設置することが非常に重要でした。これは、真空ポンプからの排熱があると室内の空調性能を高める必要があり、エネルギー消費量の増加が必至となるためです。さらに、真空供給を製造室の外に設置すれば、メンテナンス担当者が衛生面に厳しい配慮が必要なエリアに立ち入る必要がなくなり、通常の業務時間中にもメンテナンスを実行できるというメリットも得られます。
Buschは、深絞り包装機を使った包装ラインのサイクルを最大化できるようシステムを設計しました。このプロセスでは、包装チャンバーが2段階で排気されます。ここでは、圧力勾配を利用することで最短のサイクルタイムを実現しています。これは、集中真空システムの一部が低真空ポンプステーションとなっており、そこで包装が50 hPa(mbar)まで排気されると、切替弁で中真空ポンプステーションのスイッチをが入り、包装チャンバーの真空レベルがさらに5 hPa(mbar)まで下がるというものです。その後、二酸化炭素と窒素の混合ガスを利用したガス置換包装を経て密封されます。これは、包装内で目的の真空レベルを最速で達成できるだけでなく、最も効率的な方法でもあります。
このような高い効率性は、低真空に利用される比較的低い排気速度のR5ロータリーベーン真空ポンプによって達成されます。中真空ポンプステーションでは、速度制御をしたPANDAメカニカルブースターポンプを補助として使います。これには、低真空が達成された後にスイッチが入ります。
深絞り包装機の真空ポンプステーションは、180 hPa(mbar)の真空を深絞り包装機ステーションに供給します。この真空が包装のベースフィルムを形成し、それが包装用トレーとなります。
効率を上げるもう1つの理由がデマンド式の制御システムで、真空ポンプは必要な台数のみ稼働します。実際には、すべての真空ポンプが同時に稼働することはないため、全台数分の電力が常時消費されるわけではありません。週5~6日の営業で、1日あたりの平均稼働時間が約10時間ということを考えると、このメリットは決して小さくありません。
集中真空システムのメンテナンスは、Buschのサービスエンジニアが実施しており、Buschとのメンテナンス契約により管理されています。メンテナンスとしては、半年に1度、制御装置を含むシステム全体の点検と、すべての真空ポンプのオイルおよびフィルターの交換が行われます。1年間の運用後、Andrzej Kaźmirski氏はその集中真空供給に非常に満足しています。 この間、誤作動したことはなく、個々の真空ポンプの故障もありませんでした。
Drobimex社について Drobimex社は55年以上にわたって鶏の飼育に携わってきました。また、さまざまな鶏肉製品の加工や販売を手掛けて35年以上にもなります。現在、Drobimex社はポーランド国内で2つの製造施設を運営しています。シュチェチンにあるDrobimex社の食肉処理場は、ヨーロッパで最も近代的な食肉処理場の1つです。毎日12万羽以上の鶏を扱っています。これらの一部はゴレニュフの工場で、さまざまな加熱ソーセージやスモークソーセージ、鶏ハム、ペーストなどに加工されています。また、もも肉や手羽先などの鶏肉のカット製品は、味付けされて半調理品として提供されています。両方の工場ともに、HACCPガイドラインに従って運営されています。Drobimex製品の主な顧客は、ポーランドを中心とした欧州全域のディスカウントショップやスーパーマーケットチェーンです。Drobimex社は2002年よりドイツのPHWグループの傘下に入りました。