硬く、輝き、気密性も高い
ポテトチップスが劣化したり湿気たりするのを防ぐために、ほとんどのポテトチップスの袋の内側は極薄のアルミニウムでコーティングされています。コーティングしたプラスチックフィルムは、空気、水蒸気、紫外線を通しません。コーティングなしの場合と比べ、風味が逃げてしまうこともありません。金属のように見えるものの多くは、実際にはコーティングされたプラスチックです。バスルームの光沢のあるクロームメッキの製品も、ほとんどがこれに該当します。見た目の魅力を高める以外に、金属層は硬くて頑丈な保護層という役割も担っています。また、フィルムミラーや自動車のヘッドライトの反射板のように、視覚的な特性を重視した製品もあります。このような用途では、光を一定方向に完全に反射する表面が求められます。
蒸着か、スパッタリングか
布地や不織布に金属コーティングを施せば、断熱材や機能性ウェアなどに利用することもできます。アルミニウムのほかにも、チタン、鉄、金、銀など、多くの金属が使用されます。柔らかく熱に弱いプラスチック素材に金属を塗布するには、気化やイオン化が必要です。気化またはイオン化した金属は被処理物の表面に非常にきめ細かな膜を形成します。このようなプロセスは、総称として物理蒸着(PVD)と呼ばれます。多数の Busch の真空ポンプが、PVD装置に組み込まれたり、組み合わせて使われたりしています。これらのシステムでは、熱、電子ビーム、レーザーなどで金属を気化させる、あるいはアルゴンイオンの衝撃でスパッタリングするなどの方法で、被処理物の上に原子を均等に付着させます。高真空では、低温が保たれ、成膜を妨げる分子も極めて少ないため、常に均一な層が形成されます。