ロンバルディアの「眠い」ご馳走 - 真空のおかげで世界中で楽しまれているGrandpa Nataleのゴルゴンゾーラ

ロンバルディアの「眠い」ご馳走 - 真空のおかげで世界中で楽しまれているGrandpa Nataleのゴルゴンゾーラ

「ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ」、またの名を「スリーピー・ゴルゴンゾーラ」と呼ばれるチーズは、イタリアのロンバルディア州で11世紀から作られています。包装に真空技術を用いることで、このチーズを世界中で楽しめるようになりました。
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ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラは、元々、牧草地の山から牛舎へ戻る長旅で牛が疲れている秋冬の時期にのみ作られていました。この時期は採れる牛乳の量が少なく、前日の凝乳が新しい牛乳に加えられていました。

真空技術による長い賞味期限

次第に、このチーズは世界中でたくさんのファンを獲得するようになります。長い輸送の間にも品質と鮮度を確保するため、この特産品は調整された雰囲気下で包装されています。つまり、真空ポンプまたは集中真空システムを利用して大気を抜き、保護ガスに置き換えるのです。この保護ガスは、窒素や二酸化炭素など、主に自然の空気内に存在する成分で構成されています。酸素を除去することで好気性細菌の繁殖を止める、あるいは大幅に抑えることができます。このようにチーズを密封包装することで、品質や味に影響することなく長期間の保存が可能となります。

馬と荷馬車のサクセスストーリー

ゴルゴンゾーラのサクセスストーリーは80年以上前に始まりました。1935年、ピエモンテ州ノヴァーラ近郊の丘陵地にあるメッツォメリーコという小さな山間の村で、Natale Leonardiという農夫が自家製チーズをもっと上手に売る方法がないか思案していました。彼のビジネスアイデアは、シンプルですが素晴らしいものでした。他の農夫らが各自のゴルゴンゾーラを近隣市場に供給することで互いに競争し合っている間、「Nataleおじいさん」は、賢い戦略を思いつきました。週に数回、彼は馬に荷馬車をつないで北へ向かったのです。行き先は、マッジョーレ湖でした。そこでは、裕福な貴族や君主がストレーザやアローナの高級ホテルに滞在していました。これらのホテルで、Natale Leonardiのゴルゴンゾーラは瞬く間にイタリアの珍味として名を馳せました。一流階級の一員であると認められたい人々がこぞってメッツォメリーコのゴルゴンゾーラを楽しんだのです。

3世代のゴルゴンゾーラ

Nataleおじいさんは、Igorという会社を興しました。現在では同社が最も大きなゴルゴンゾーラメーカーとなっています。本社は、ノヴァーラ近郊のカメリにあります。Igor社は以来、Leonardi家が3代にわたって引き継ぎ、今ではさまざまな種類のゴルゴンゾーラを提供しています。Igor社のすべての製品にはPDOシールが貼られています。この欧州認証は、「原産地名称保護」を意味し、製品が、厳密な製造規則に従い、特定の地域内で伝統的な製法に従って製造されていることを保証するものです。ロンバルディア州とピエモンテ州の限られた地域内のメーカーだけが、自社のブルーチーズに「ゴルゴンゾーラ」の名称を使うことが認められています。このソフトチーズの製造方法と材料は、長年変わっていません。しかし、技術革新を進める中で、Igor社は技術開発に成功し、毎年200万個のゴルゴンゾーラを製造し、世界市場シェアの45%を占めるようになりました。今年、Igor社は、増加し続ける世界的な需要に応えるために、製造拠点を35,000平方メートルから50,000平方メートルに拡張する予定です。その需要の多くは、Nataleおじいさんの馬車で移動できる範囲を大きく超えた、アジア諸国からのものです。

Igor社自慢のすべてのチーズは、ブッシュの集中真空システムを利用して包装されています。それにより、調整雰囲気下で賞味期限が長期化されています。


ゴルゴンゾーラの製造

Igor社の乳製品工場に納品された牛乳は、ゴルゴンゾーラ製造のために殺菌されます。そこに乳酸菌、青カビの培養物、およびレンネットを加えます。乳酸菌がラクトースを乳酸に変えることで、凝乳となります。カゼイン(牛乳タンパク質)が沈殿する結果として、酸乳が凝固します。この過程がレンネットによって強化されます。これは、仔牛の胃から採れる酵素の混合物であり、カゼインをさらに細かくする働きがあります。

特徴的な青い模様

凝固過程でできた固形の凝乳を、「チーズハープ」と呼ばれる装置を使って液体の乳清と分けます。その後、ステンレススチール製の型に入れ、21℃の熟成室で寝かせます。チーズの外皮を複数回塩水で拭きます。数日後、チーズの塊を2つ目の部屋に移します。ここの温度は3~5℃に保たれています。そこで、ステンレススチール製の針で塊に孔を開け、チーズの内側を酸素に晒します。この通気が、製造工程の最初に加えられたペニシリウム・ロックフォルティ培養物の繁殖を促進します。このようにしてゴルゴンゾーラの青カビによる特徴的な模様と強い風味が生まれるのです。

80日後に世界各地へ

熟成期間を経てチーズが完成します。マイルドなゴルゴンゾーラの場合は約50日間、より風味の強いものであれば80日間の熟成が必要です。その後、スライスされ、包装されます。不活性ガスによる調整雰囲気により、熟成がそれ以上進むことはありません。したがって、ゴルゴンゾーラは、ピエモンテからの出荷時と同じ熟成状態で世界各地のチーズ愛好家の元に届くことになります。


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