食品包装の効率化と省エネを実現する集中真空システム

Maulburg, Germany Goodvalley Polska 社(Goodvalley Polska Sp. z.o.o.)は、ポーランドの大手豚肉加工業者です。取扱商品は各種ソーセージ、ハム、精肉製品などです。ソーセージ製品には、ガス置換包装(MAP)を採用しています。この包装方法では、置換用ガスの充填前に包装から空気を抜きます。その際に必要となる真空を、Busch の集中真空システムが供給しています。 Goodvalley Polskaでは、この集中真空システムの採用によって経済性と効率性が向上しました。
図1: ソーセージなどの肉製品がGoodvalley Polskaの主力商品です
図1: ソーセージなどの肉製品がGoodvalley Polskaの主力商品です

集中真空システムのメリットはそれだけではありません。Goodvalley Polska がガス置換包装に使うのは、二酸化炭素と窒素の混合ガスです。この混合ガスで包装内の環境が均一となり、製品の賞味期限が大幅に延びるほか、保存期間を通じて製品の色、堅さおよび新鮮さが確実にキープされます。 

Goodvalley Polska は、ポーランド北西部の町、プシェフレボの自社施設で、食肉処理から加工品の出荷までのすべての工程を担っています。そこでは毎日、1,000頭の豚が食肉処理されているのですが、 その豚はすべて、数キロ離れて位置する同社の養豚場であるPoldanor社(Poldanor SA)で飼育されたものです。つまり、食肉の品質を飼育過程から管理することができるのです。Goodvalley Polska 社とPoldanor社の両社は国際的な豚肉生産者であるAxzon Groupの一員です。


図2: トレーシーラーによる挽肉の包装

Goodvalley Polska では、900名の従業員が加工業務に携わっています。生産は1日20時間で、 残り4時間に機器とシステムの清掃が行われます。 

ガス置換方式は合計で4つの包装ラインで使用され、それぞれの包装ラインには、トレーシーラーが設置されています。集中システム採用以前は、包装機毎に、直上のフロアに設置されたBusch のロータリーベーン真空ポンプ「R 5」で真空を供給していました。Goodvalley Polska 社のテクニカルディレクター、Tomasz Paciorek氏によると、真空ポンプからの放熱が生産ラインに悪影響を与えるのを避けるため、このような配置となったということです。

2015年末、Busch はGoodvalley Polska 社に対し、4つの包装ラインすべての真空供給を集中化する提案を行いました。 

Busch の提案のメリット:

  •  省エネ
  •  真空供給の高い信頼性
  •  生産を止めない保守作業


これらのメリットからGoodvalley Polska 社は Busch の提案を採用しました。システムは2016年初めに設置し、それ以来、1週間に5~6日、1日あたり20時間というサイクルで運転を続けています。

システムには合計で4台のロータリーベーン真空ポンプ「R 5」が使われています。その4台の真空ポンプは真空容器に接続され、常に150ミリバールに保ちます。これに必要な真空ポンプは3台で、 残りの1台は、予備機となっています。Busch の真空システム導入以前は、高負荷時には4台全ての稼働が必要でしたが、3台で対応できるようになったことで、年間で約3,750キロワット時の省エネを達成しました。真空システムは、需要に応じて稼働します。つまり、稼動状況に応じて必要な台数のR 5ロータリーベーン真空ポンプだけが作動するということになります。実際には負荷が最大限に達するような運用は希です。4つの包装ラインすべてで同時に高サイクルの運転をするような場合にのみ発生します。実際には通常の運用に必要な真空ポンプは2台のみです。排気速度400 m3/hのR 5ロータリーベーン真空ポンプで、ベースロードをまかないます。分散型の真空供給と比較した場合、このシステムによって実現する省エネは83,000 kWhとなり、エネルギー消費量の半減に相当します (図1)。


図3: Busch の集中真空システム。包装用の混合ガスを充てんする前に真空を供給する目的で使われる。

Goodvalley Polska 社は Buschのロータリーベーン真空ポンプ「R 5」の故障を経験したことが一度もありません。新しく採用した集中真空システムでも、それ以前もです。堅牢性は明らかです。万が一、真空ポンプの1台で不具合が起こったとしても、4台の真空ポンプによる冗長運転のため、生産が中断されることはありません。常に150ミリバールの真空に保たれている上流のバッファータンクから、いつでも真空供給が可能です。これによって、脱気にかかる時間が短縮され、高サイクルの包装が可能となります。また、集中真空システムは、運転中でも保守作業を実施できる設計になっています。システムは包装ラインの上の階に設置されるため、保守作業のために衛生面に注意の必要な包装エリアに入る必要もありません。 システムは予備機を含んだ構成のため、真空レベルや排気速度に影響を及ぼすことなく、R 5ロータリーベーン真空ポンプの保守作業することができます。 

Goodvalley Polska 社で使用しているポンプはすべて酸素を扱える特殊バージョンで、酸素含有量が21%を超える混合ガスでも安全に圧縮することができ、 酸素を約70%含む爆発性の混合ガスでもガス置換包装(MAP)で封入が可能となっています。 通常の包装プロセスでは、この酸素濃度の高い混合ガスの充てん後、一旦包装チャンバーが換気されてから次の包装サイクルが始まります。したがって真空ポンプで吸引するのは通常の空気だけで、爆発の危険性がありません。酸素バルブの不具合やその他の損傷などの異常事態の場合のみ、真空ポンプが吸引するガスの酸素濃度が高まる恐れがあります。このような事態が起きた場合にも安全にガスを排気できるよう、特殊バージョンが採用されています。

テクニカルディレクターのTomasz Paciorek氏は、このソリューションに大変満足しています。真空システムの集中化によるさらなるメリットは、2017年に予定される5つ目の包装ラインの稼働開始で実証されます。この新ラインを集中真空供給装置に接続する際に、集中真空供給装置を拡大する必要はありません。現行のシステム性能で、追加の包装ラインへの真空供給も十分に補えると、Busch の専門家は判断しています。これにより、集中化以前の運用と比較し、省エネ効果も一段と促進することになります。


Goodvalley Polska 社について
1999年の設立以来、Goodvalley Polska社はポーランドのプシェフレボ(Przechlewo)という村でソーセージと食肉製品を製造してきました。現在では、これらの製品におけるポーランド最大手のサプライヤーに成長しています。主な市場であるヨーロッパと米国で、スーパーマーケットチェーンに製品を提供しています。取扱商品には、スモークソーセージ、ボイルソーセージ、ハム、ベーコン、ローストポーク、スライスおよび小分け製品、ならびに調理済みマリネ、グリル用の味付き製品などがあります。設立当初より大切につづけているのは、品質と安全性です。2002年以降は、HACCP規格に沿った製造を行っています


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