真空システムの集中化による省エネとCO2排出の削減

Block House Fleischerei GmbH(ブロックハウス フライシェライ社)は、工場のエネルギー効率を高め、温室効果ガスの排出削減目標を達成しました。精肉製品およびミートパティのメーカーである同社は、5つの真空ラインを再編することによって、大幅な省エネと年間36.1トンという膨大なCO2排出量の削減を達成しました。新しい真空システムの中核となるのが、ブッシュの集中真空システムです。効率的な設計と高度な制御システムにより、この集中真空システムはこれまでの分散型真空装置と比較し、エネルギー消費量を大幅に抑えることができます。
図1: 49のレストランで、食肉加工工場から供給されるBlock Houseステーキを提供しています。 Source: Busch Dienste GmbH
図1: 49のレストランで、食肉加工工場から供給されるBlock Houseステーキを提供しています。 Source: Busch Dienste GmbH

Block House 食肉加工工場は、Eugen Block(オイゲン・ブロック)によって1973年に設立されました。当時自主的に定めた厳しい品質基準が現在も適用されています。その品質は、国際食品規格のIFS認証で裏付けられています。また、高級牛肉の品質マークは、品種に適した方法で飼育された牛の肉だけを使用しているという証です。ステーキ用には、主にアンガス牛とヘレフォード牛が使用されています。

またこの工場は、環境や持続可能性に対する責任を、厳しい品質基準の維持と同様に重視しています。同社のエネルギー管理システムは、ISO 50001認証を取得しており、ハンブルクの「Companies for Resource Conservation(資源保護に取り組む企業)」プロジェクトにも参加しています。

2013年、エネルギーの観点から包装機の真空装置の分析を行った同社は、ここに省エネの余地があると判断しました。当時は、5つの包装ラインにそれぞれ1台の深絞り包装機があり、それぞれにバックポンプとして1台のロータリーベーン真空ポンプと、メカニカルブースターが設置されていました。これらは包装ラインに近接して設置されていたため、ポンプからの排熱で食肉加工エリアの室温が上がります。衛生上、室温を低温に保つ必要があり、そのために空調の電力消費量も上がります。騒音も問題でした。


図2: 牛肉製品の熟成、カット、小分けは、ハンブルクのBlock House社内の加工工場で行われています。 Source: Busch Dienste GmbH

真空装置の見直しに際し、工場には省エネとCO2排出力の削減に加えてもう1つの狙いがありました。真空供給の高い可用性の確保と、食肉加工エリアから真空ポンプを移動し、排熱と騒音の問題を解消することです。さらに、食肉加工エリアに立ち入らずにメンテナンスできるようにしたいと考えました。

そこでブッシュの真空スペシャリストに相談し、今までのデメリットをすべて排除できる、エネルギー効率に優れた真空ソリューションを生み出しました。包装機の集中真空システムが理想的なソリューションであるという点が、チームの共通認識です。集中真空システムの設計ベースは、実際の包装プロセスにのみ真空を必要とする既存の5台の深絞り包装機としました。深絞り包装では、包装材を型にはめる際に真空は使わず、圧縮空気で型に吹き付けます。 


図3: ブッシュの集中真空システム. Source: Busch Dienste GmbH

新しい集中真空システム(図3)は、2015年9月に稼働を開始しました。主なコンポーネントは、4台のR 5ロータリーベーン真空ポンプと4台のPandaメカニカルブースターです。 ロータリーベーン真空ポンプとメカニカルブースター各1台で構成される真空モジュールの内1基は予備用とし、稼働中にメンテナンスを行う場合にのみ使用します。このシステムは、食肉加工エリアの下の階に配置して分けました。

包装チャンバーは、2基の真空モジュールを使い、2段階で脱気します。1段目では、常に30 hPa (mbar)のいわゆる粗引き真空が保たれています。これにより、この「粗引き真空レベル」までを短時間で排気可能となります。その後、真空レベルが4 hPa (mbar)の2段目に接続を切り替えます。この2段階方式の採用で、サイクルタイムが短縮されます。集中真空システムと包装機の間にバッファタンクがあり、ラインで必要とされる真空レベルがいつでも供給できるようになっています。
システムは、オンデマンド式で運転されます。圧力トランスミッターを使用し、圧力に応じて個々の真空モジュールのオン/オフが切り替わる仕組みです。この制御方式と、以前の分散型による供給と比較して年間39,600 kWの節電が実現したことにより、Block House工場は、年間4,356ユーロ(約60万円)のエネルギーコスト削減を達成しました。この省エネ量は、CO2排気量22.8トンに相当します(図4)。


図4: ブッシュの集中真空システムによる省エネ. Source: Busch Dienste GmbH

Block House食肉加工工場の技術部長、Frank Damast氏は、ブッシュとの協力により最新の真空技術を導入できたことに満足しています。以前の分散型真空装置と比較し故障がなくメンテナンスの頻度も減りました。モジュラー設計のため、この真空供給が停止することは、実質的にあり得ません。予備の真空モジュールによって、可用性面もさらに充実しています。

真空システムを別フロアに設置したことで、食肉加工エリアの年間の空調用電力を23,100 kW削減できました。これは、年間の電気料金にすると2,541ユーロ(約36万円)に相当し、CO2排出削減量は13.3トンに上ります。集中真空システムと空調用のエネルギーコスト削減を合わせると、年間の総削減額は6,897ユーロ(約96万円)となります。また、CO2排出削減量の合計は、36.1トンです。このシステムは現在、5台の包装機に真空を供給していますが、将来的に2台の包装機を追加しても対応できるよう設計されています。さらに、このシステムによってサイクルタイムも短縮されました。 

この革新的でエネルギー効率に優れた真空システムの導入によって、Block House食肉加工工場はハンブルク市より「Companies for Resource Conservation(資源保護に取組む企業)」プログラムの助成金を交付されました。ブッシュの集中真空システムが資源保護につながる最適なソリューションであったことを裏付けています。 

集中真空システムのメンテナンスは、1年に1度、ブッシュのサービス技術者が行います。またこのシステムを運転プロセス制御システムと連動させることで、システムを常時監視し、異常があればすぐに検知できるようになりました。消費電力も自動的に表示され、記録されます。

Block House Fleischerei GmbH

Block House Fleischerei GmbHは、Block Foods AG(ブロックフーズ株式会社)グループの一員です。ドイツのハンブルクにある同社の最新の食肉加工工場では、ステーキの小分け、牛肉のカット、ミートパティやカルパッチョの加工を行っいます(図1)。約100名の従業員が、1シフト制で勤務しています。ただし、ミートパティの加工は2シフト制で行われています。一部の製品は、同社の運営するステーキレストランチェーン、Block House(ブロックハウス)で利用されます。49店舗あるBlock Houseレストランのほとんどがドイツ国内の都市にありますが、他にスペイン、ポルトガル、オーストリアおよびスイスのBlock Houseレストランでも同社の加工肉が提供されています(図2)。国内外のレストランの年間利用者は600万人を超えています。製品の大部分は卸売、小売または食品業界に納入されています。顧客は、ドイツ国内と近隣諸国が中心です。


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