ソーラービジネスの収益性を高める - 太陽光発電には真空が不可欠

ソーラービジネスの収益性を高める - 太陽光発電には真空が不可欠

2019年、アブダビ首長国スワイハン地区で世界最大の太陽光発電施設が稼働を開始しましたが、さらに大きなプロジェクトもすでに複数計画されています。ソーラーパネルの製造では、すべての主要な工程においてBuschの真空ポンプのような真空テクノロジーが重要な役割を果たしています。
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2019年6月末、Noor Abu Dhabiソーラーパークがこの砂漠国家の送電網に接続されました。運営事業者によると、8平方キロメートルの面積に320万枚のソーラーパネルを敷設。1か所としては世界最大規模の太陽光発電所となります。同発電所は最大1.18ギガワットのピーク電力を生成し、年間100万トンの二酸化炭素排出量を削減することができます。これは、自動車20万台分のCO2 排出量に相当します。事業開始時の顧客向けの電力価格は、1キロワット時あたり2.42米セントと見積もられました。

進む製造業の効率化

今では、近代的な大規模太陽光発電所で、補助金を設けなくてもこれほどの低価格が実現できるようになりました。太陽光発電は、すでに化石燃料からの発電よりも安価に生産することができます。このように、再生可能エネルギーは国からの助成金の対象ではなく、収益性の高いビジネス領域へとシフトしています。これにはソーラーパネル製造の急速な進化が少なからず寄与しています。真空テクノロジーは、すべての重要な生産工程で利用されています。

まずは、ソーラーセルのベースとなるシリコン基板の製造です。求められる品質の結晶を作るには、チョクラルスキー法が一般的に使われます。この方法では、真空下で結晶を育成します。空気に含まれる酸素は高純度の結晶シリコンを酸化させ、シリコンウエハーの効率悪化につながります。

層を重ねて守る

結晶の育成の次は、結晶を薄くスライスしたシリコンウエハーに、活性層を積層します。さまざまなプロセスで、機能の異なる層を重ねていきます。これらの層の形成に使われるガスは、発火の恐れがある場合や、有毒である場合も多いことから、ここでは特殊な安全性の高い真空テクノロジーが採用されます。これらの行程を終えてできたものを太陽電池のセルと呼び、セルは光を電力に変える機能を備えますが、 この形態のままでは、風や悪天候に長く耐えることはできません。砂漠の砂は言うに及ばずです。

破損につながる外的要因から守り耐用性を確保するため、複数のセルを並べプラスチックやガラスの保護フィルムを複数重ね、パッケージ化したものがパネルです。この特殊なフィルムは、隙間や気泡が生じないようにパネルに合わせ、しっかりと接着する必要があります。このため、ラミネート加工も真空下で行われます。真空を使うこのような行程を担う装置の多くに、専用に開発されたBuschの真空ポンプが搭載されています。

ほんの数年前、カリフォルニア州のモハーヴェ砂漠にある「Solar Star I + II」は、579メガワットという世界最高出力記録を達成しました。約170万枚のソーラーパネルが搭載されているこの発電所は、2015年6月に運転を開始しました。しかし、そのわずか数か月後、250万枚のソーラーパネルで648メガワットの電力を生産する、インドのタミル・ナードゥ州にあるKamuthi Solar Power Projectがトップに立ちました。

その後、中国の青海省に位置する龍羊峡ダム太陽光発電所(Longyangxia Dam Solar Park)が850メガワットを記録します。しかし2019年6月に、この記録はNoor Abu Dhabiによって突破されました。すでにサウジアラビアや中国などでは、さらに規模の大きな太陽光発電所が計画されています。


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