高級ゴルゴンゾーラに欠かせない真空技術

Novara, Italy イタリア北部の伝統的チーズ”ゴルゴンゾーラ”の生産は、IGOR 社のメインビジネスです。オーナーであるレオナルディ家は、ピエモンテ地方のノバーラ近郊で、3代にわたってゴルゴンゾーラを生産しています。最新の生産工場には、伝統製法からは想像できない最先端の設備が並びます。工場では数種類のゴルゴンゾーラを、カビや害虫などの発生を抑える効果のあるCO2を使ったガス置換方式で包装しています。IGOR社は他の工程でも最新技術を駆使し、トレーシーラー包装機にはブッシュの集中真空システムを使っています。
図1: 包装したばかりのゴルゴンゾーラとMaurizio Leonardi
図1: 包装したばかりのゴルゴンゾーラとMaurizio Leonardi

品質に対する明確なコミットメントだけでなく、IGOR社は地域のアイデンティティも大切にしています。具体的にはノバーラ地方の様々な地域活動、スポーツチームのスポンサー活動などでの貢献です。女子バレーボール、イタリアプレミアリーグのセリエAで活躍中のノバーラチームもIGOR社がサポートしています。

IGOR社のすべての製品にはPDOシールが貼られています。この欧州認証は、「原産地名称保護」を意味し、製品が、厳密な製造規則に従い、特定の地域内で伝統的な製法に従って製造されていることを保証するものです。

1996年、ノヴァーラ近郊のカメリで15,000平方メートルの新たな製造プラントを取得しました。数回にわたる拡張と近代化を経て、この製造プラントは現在35,000平方メートルの規模へと拡張しており、さらに2017年の追加拡張工事で、合計50,000平方メートルとなる予定です。増え続ける需要と製品の多様化に十分対応できる規模に拡大しつつ、 将来的に品質や衛生に関する規則が変化した場合にも基準を満たせるよう、更なる投資も予定しています。

IGOR社自慢のゴルゴンゾーラは、スーパーマーケットやディスカウントストアなどのチェーンやホールセールクラブ、その他食料品店等を通じ、世界中の人々の食卓に届いています。食品加工業者や外食産業にも販売されています。また、販売店オリジナルブランド品として店舗に並ぶものもあります。製造されたゴルゴンゾーラ製品は半数以上の52%が輸出され、イタリア国内で消費されている割合は48%となっています。


図2: ブッシュの集中真空システムの一部

IGOR社では1日18時間、生産を行い、残り6時間で清掃をします。 小分けにされたゴルゴンゾーラは、合計25のラインで、CO2ガスを充填し包装されます(図2)。包装ライン自体の稼働時間は、季節によって異なりますが、1日あたり平均で12時間です。包装ラインの大部分は完全に自動化されています。工程はまずチーズのカットからです。12kgのゴルゴンゾーラのブロックを自動的にカット、小分けしてトレーに並べます。トレイが包装チャンバーに入ると、包装チャンバーが閉じ、 4~5ミリバールの真空レベルまで排気されます。その後CO2をチャンバーに入れ、トレーに封をしてからチャンバーが開かれます。包装したての商品はベルトコンベアで次の工程に運ばれ、そこで外装やオーダーピッキングが行われます。 

全包装ラインをで使用されている真空を、ブッシュの集中真空システムが供給しています(図3)。1996年に製造設備を導入した当初から、同社は真空ポンプを生産工程から隔離する配慮をしていました。冷却して6℃に保つ必要のある生産エリアが、真空ポンプの排熱で影響を受けるのを防ぐためです。真空ポンプを隔離することで、生産エリアの冷房費を抑えられたのと同時に、 騒音も防ぐことができました。2004年の工場拡張時、IGOR社は「集中真空システム」について議論を重ねました。機材やエネルギー効率改善についての持続的な取り組みは、IGOR社の哲学の基本だからです。 


図3: ゴルゴンゾーラのガス置換包装に使用される25台のトレイシーラーの1つ

IGOR社とブッシュの協力により、既存の真空ポンプを統合した集中真空システムが実現しました。包装ラインのフロアに、100メートルにおよぶ真空ラインの主配管を環状に配置し、集中真空システムと全てのトレーシーラーを結びました。システムにはブッシュのロータリーベーン真空ポンプ7台を使っています。 

 この7台の真空ポンプは既存設備を流用して構成したため、各々のサイズや排気量はばらばらでした。1996年から稼働していたR 5 ロータリーベーン真空ポンプも、この集中真空システムに組み込まれました。このように様々な真空ポンプを環状の配管で繋いで、システムが常に4~5ミリバールの真空レベルでキープする制御を行っています。このシステムは、デマンドの変化にも対応できるようになっており、 すべての包装機がフルキャパシティーで稼働する場合や、短いサイクルタイムで大量の包装をさばく場合などでない限り、プロセスで必要な台数だけ真空ポンプが作動する設計となっています。
環状の配管はバッファタンクとしての機能も果たします。バッファがあることで、必要な真空を即時供給でき、最短の包装サイクルが実現します。

この制御方法により、大幅な省エネも可能となり、IGOR社の「現実的かつ持続可能な方法で資源を利用する」という理念が実践されるようにりました。
導入以来、システムは不具合も故障もなく、極めて信頼性の高い運転を続けています。ブッシュのR 5ロータリーベーン真空ポンプは、連続運転における卓越した堅牢性に定評があります。システムに組み込んだ旧設備のR 5ロータリーベーン真空ポンプは、20年以上使用していますが、導入当初と同じレベルの真空度と排気速度を保っています。 

保守作業は、IGOR社のエンジニアがブッシュの純正パーツを使って行っています。 特にブッシュの純正オイルは、R 5ロータリー真空ポンプ向けに調合されたもので、真空性能を損なう恐れのある凝縮が起こらず、一定量の水蒸気の吸引にも耐えることができます。IGOR社からも、真空度の確保に最適との評価をいただいています。
集中真空システムの利点として忘れてはならないのは、保守作業のしやすさです。真空ポンプは別室にまとめて設置されているため、作業はそこで行えます。生産エリアに立ち入る必要はありません。

IGOR社について
レオナルディ家は、1935年からゴルゴンゾーラを製造し続けてきました。ナターレ・レオナルディが自家製チーズを作り始めたのは、イタリア、ノヴァーラ近郊にあるメッツォメリーコという小さな村でした。作ったチーズを馬車でマッジョーレ湖まで運び、湖畔に立ち並ぶホテルのレストランに販売していました。今ではゴルゴンゾーラの最大手メーカーとなったレオナルディ家3世代にわたり受け継がれる味は、この「ナターレおじいさん(Grandpa Natale)」から始まったのです。それ以来、同じ原料と同じ製法を代々守り続けてきました。その後IGOR社は技術開発を進め、味と品質を維持しながら生産を拡大し、現在では年間200万個のゴルゴンゾーラを製造するようになりました。世界市場シェアも45%を占めるまでに発展しました。生産方法は近代化され変化してきましたが、製品の品質こそがIGOR社の最優先事項であるというこに変わりはありません。そのゴルゴンゾーラに授与された数々の賞がそれを実証しています。


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