途切れない軽量パネル - 製造の連続プロセスを真空がサポート

途切れない軽量パネル - 製造の連続プロセスを真空がサポート

製造における連続プロセスが新しい可能性を切り開きます - 都会で楽しむ水上スポーツ「アーバンパドリング」にも関ってきますが、それだけにとどまりません。真空は、素材の成形において重要な役割を果たします。
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アムステルダム、オースティン、マカオのような都市ではラッシュ時に道路が渋滞し、地下鉄も大混雑します。人々は、ほとんど活用されていない水路を見ながら、ボートがあればいいのにと考えます。最近では、その空想を比較的簡単に手ごろな価格で実現させることができるようになりました。ベルギーのOnak社は、1枚のプラスチックパネルでできたカヌーを開発しました。このカヌーは、中型のスーツケース程のサイズに折りたたんで運ぶことができます。開くと、わずか数分で本格的なカヌーに姿を変えます。

ハニカム構造による頑丈さ

この革新的なボートの秘密は、その素材である、ポリプロピレン(PP)製のハニカムコアを持つサンドイッチパネルにあります。その名称が示す通り、内側は蜂の巣のような構造となっています。六角形の壁面が骨組みとなる一方で、外層に挟まれた無数のセルは空洞のため、パネルは非常に軽くなります。

これらの特性により、同様のパネルが長年にわたってボートレースや航空宇宙産業で利用されてきました。ただし、従来の製造プロセスは比較的複雑であり、外層と内層を別々に製造し、パネルごとに貼り合わせる必要がありました。

先頃、ルーヴェン大学のJochen Pflug博士は、これらのハニカムパネルを1つの連続する工程で製造する技術を開発しました。その後、同博士はEconCoreとThermHexの両社を創設しました。EconCore社はこの技術のライセンス提供を、ThermHex社はこの技術を利用した連続パネル製造を行っています。

成形と折りたたみ

熱可塑性樹脂のハニカムコアの製造では、平らなシート状の型に入った塑性を持つプラスチックが、押出機から回転ドラム式の深絞り真空成形機に運ばれます。このドラムの英名は動作原理に由来し、ドラムの表面はハニカムセルの壁面の半分を成形するよう設計されています。ドラムの内側は真空で、ドラム表面に開いた無数の穴から加熱された素材を成形型に引き込みます。ドラムは回転式のため、連続製造が可能となります。

一連の高度なプロセスの中で、ハニカムセルの半分をそれぞれ折り畳み、接合して完全なハニカムセルを作ります。その製造工程の流れで、別の種類の外層をラミネートすることもできます。これらの層には、プラスチック、金属シート、繊維強化オルガノシートといった素材を使用できます。繊維強化オルガノシートは後の工程で変形させ、射出成形技術を利用してアイレット、ハンドルまたはブラケットなどの機能部品に成形することもできます。ハニカムコアパネルは、平らで安定した軽量な素材を必要とするあらゆる用途に利用することができます。次の大きなトレンドとなる可能性のあるアーバンパドリング用のカヌーだけでなく、大型ヨットの船体、トラックのトレーラー、車両本体の構成部品、住宅建材、または風力タービン用のナセルにも利用できると考えられます。

自然が作るものの多くは経済効率に優れています。それが、自然界に球体や円が多い理由です。この形状なら、外面を最小限にしてできるだけ多くの容積を保つことができます。円を多数並べて、その隙間を埋めると、六角形のハニカムになります。この構造が数学的に最も経済的であることをミツバチがどうして知っているのか、ミツバチが巣を作るときにどうやって正確に120度の角度を形成するのかについては、まだはっきり分かっていません。ただ、ミツバチは、できる限り少ないミツロウを使い、ミツバチ自身の「技術」によって実現可能な、最も安定した立体構造を作り出しているということだけは確かです。人間はこのパターンを構造生物工学に応用し、さまざまな製品に活かしています。


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