新しい真空技術による地下水位低下

GW Kanalabsperrungは、地下水レベルを下げるために新しい真空メソッドを利用しています。新たに開発されたWAシリーズの地下水位低下システムには、Busch のMinkクロー真空ポンプが独占的に採用されました。地下水位の低下に使用される従来型の真空発生器と比較すると、Minkクロー真空ポンプは、メンテナンス、効率性および信頼性の点で大きなメリットがあります。
図1: Buschの周波数制御付きMink MV 0080 C クロー真空ポンプを搭載したGWA 80/90地下水位低下システム
図1: Buschの周波数制御付きMink MV 0080 C クロー真空ポンプを搭載したGWA 80/90地下水位低下システム

同社は常にこれらシステムの在庫を、ドイツ・ヴェーゼルにある本社に確保しています。これらのシステムは、建築物の地下部分の建設、パイプラインの建設または下水道の建設中に、地下水の水位が高すぎるという問題に直面し、地下水位を下げる必要がある企業や自治体にレンタルされます。その過程で必要となった場合、GW Kanalabsperrung社は、顧客に合わせたサービスも提供しています。これには、フィルターやホースラインをすべて搭載したシステムの設置から、機能や運転状況の日々のモニタリングまでが含まれます。同社はこのようなサービスで、ノルトライン=ヴェストファーレン州全体で顧客基盤を築き上げました。

これまでは、さまざまなメーカーのシステムを販売していましたが、2015年、マネージングディレクターのゲルハルト・ヴァーグナー氏自身が新たなシステムを開発。長年さまざまな真空ポンプを利用してきた同氏は、Busch のMinkクロー真空技術を利用するという決断を下しました。最初のシステムが顧客に納入されたのは去年のことですが、GW Kanalabsperrung社はこの新たなシステムのアプローチを、ミュンヘンで行われた展示会、bauma 2016において多くの専門家に向けて初めて発表しました。

ヴァーグナー氏は、同社設立以前より、長年にわたって地下水位の低下に取り組んできました。真空メソッドによる仕組みは、基本的には同じ原理によるものです(図1)。地下水が掘削ピットに浸透するのを防ぐため、あるいは逆に掘削ピットからの排水を不要にするために、フィルター付きの揚水管をピットの周辺に、1、2メートル間隔で配置します。これは、最大で地下の6~7メートルの深さで行われる場合もあります。これらの揚水管の数、配置の間隔および使用されるフィルターは、地盤の状態に応じて異なります。

図2 地下水削減のための真空メソッドの作動原理:1 地下水低下システム、2 マニホールド、3 掘削、4 揚水管、5 吸引フィルター、6 地下水

すべての揚水管は、マニホールドを使用して地下水位低下システムに接続されます。この地下水位低下システムは、必ず1機または2機の真空ポンプ、1個の真空タンク、および1機または2機のウォーターポンプと制御システムで構成されています。システムのスイッチを入れると、真空ポンプがタンクおよび配管全体の空気を全て排気します。このプロセスによって作り出された真空により、各フィルター周辺の地下水が吸引され、全体的な地下水の水位が下がる仕組みです。真空によって吸引された地下水はタンク内に入ります。タンク内の水位が一定レベルに達すると、すぐにウォーターポンプ(通常は渦巻きポンプまたは水中ポンプ)が水をタンクから汲みだし、ホースを通じて下水道または公共用水域に排水します。

タンク内の水位が最低レベルまで下がると、ウォーターポンプは停止し、地下水の吸引を再開します。建設中の掘削ピットを確実に排水するため、このプロセスを1日中、絶えず繰り返します。掘削期間に応じて、この工程が数週間から数か月続く場合もあります。

このプロセスでよく利用される水封式真空ポンプは、封液として水を必要とする点が障害になります。封液である水は、内部の循環システムによって水封式真空ポンプに常時供給されます。このプロセスでは、ポンプの水が切れて不具合が生じないよう、水量を定期的にチェックする必要があります。水封式真空ポンプは循環運転でありながら、定期的に真水を追加する必要があります。しかし実際には、掘削作業中の給水が難しい場合もあります。この循環システムに吸引した地下水が入り込むのも防がなければなりません。フィルターを通過した地下水であっても、研磨作用のある細かな砂を含んでいるため、水封式真空ポンプがすぐに摩耗してしまうためです。 



図3 ドライ非接触式Minkクロー真空ポンプの断面図

これまでヴァーグナー氏は、地下水位の低下には主にオイル潤滑式ロータリーベーン真空ポンプを利用していました。信頼性の高い真空ポンプですが、ある程度のメンテナンスが必要です。そしてドライ式ロータリーベーン真空ポンプは、まったく不適切だということが分かっていました。オイル潤滑式のロータリーベーン真空ポンプではオイルがポンプ内に保護膜を形成するため腐食が防止されますが、ドライ式ロータリーベーン真空ポンプでは、ダウンタイム中に腐食するリスクが常にあり、腐食すると起動しなくなってしまいます。たった1日作業が止まっただけで、ベーンがローターに固着してしまう場合もあります。起動時にそれが破損し、真空ポンプ内で更なるダメージが生じる恐れもあります。

ヴァーグナー氏は、新しい地下水位低下システムにBusch のクロー真空技術を採用する決断をしました。これまでのところ、最良の成果が得られています。特に、メンテナンスの手間を最小限に抑えられることが、この採用のもたらした利点です。真空ポンプを毎日チェックする必要がなくなるため、コストも時間も大幅に節約できます。

たとえば、これまでは、地下部分でセメントを注入した後や週末など、建設現場での作業が行われないときにも、従業員がわざわざ建設現場に出向きシステムの正常稼働を確認しなければなりませんでした。Minkクロー式真空ポンプはドライ運転で、圧縮も非接触方式のため、メンテナンスの手間が抑えられます。つまり、これらのポンプの圧縮チャンバーには水や潤滑オイルなどが一切必要ありません。そのため、それらの管理、維持作業がすべて不要となります。水封式真空ポンプで封水の量が少なくなった場合や、真空ポンプの潤滑オイル内に水分が混ざった場合に発生する不具合のリスクが排除されます。さらに、非接触の圧縮方式ため、摩耗もありません。このため、パーツを交換する必要がなく、ポンプ内部の個々のパーツが腐食によって動かなくなるということもありません。Minkクロー真空ポンプのメンテナンスは、年に1度、ギアボックスのオイルを交換するだけです。

GW Kanalabsperrung社による新しいGWA地下水位低下システムには、4つのバージョンがあります。すべてのバージョンに、容量1立方メートルの真空タンクが搭載されています。内部に排水用水中ポンプが水平に設置されています。このポンプの容量は1時間あたり90立方メートルです。接続する揚水管の数、あるいは吸引の必要な水量に応じて、真空供給は3つのサイズのMinkクロー真空ポンプから選択可能です:1時間あたり80、100または140立方メートル。最小サイズで排気速度1時間あたり80立方メートルのMinkクロー真空ポンプを搭載したシステムには、制御システムと周波数コントロールを搭載したバージョンもあります。これによりシステムを制御できるようになり、運転条件の変化に左右されず、一定の排気速度あるいは一定の真空レベルを維持できるようになります。運転時間中に条件が変化しても真空ポンプが排気速度を自動調整できるというメリットがあります。さらに、使用現場での設置時に排気性能を個別に設定することもできます。これによりシステムを正確に設定したり、現場の状態に合わせて再調節したり、自動的に調整したりすることが可能となります。最初の実地試験中に、ヴァーグナー氏は、Buschのクロー真空技術のメリットを他にも発見しました。それは、Mink真空ポンプは、市販されているその他すべての機械的真空ポンプと比較して、エネルギー効率が非常に高いという点です。この効率性は、周波数コントロールの利用でさらに高めることができます。新しいGWA地下水位低下システムは、真空を使ったディープウェル工法にも利用できます。 

このプロセスでは、井戸の上の表面から下方向へさらに真空をかけることができます。
真空により、迅速により広範囲で効果的に揚水できるようになるほか、地表の水はけが悪くても、新たな地盤を安定させることができます。

GW Kanalabsperrung社について 
GW Kanalabsperrung社は、2005年に設立された会社であり、止水ボール、止水版または止水リングなど、下水の遮断に使用される機器類、および真空メソッドを活用した地下水位低下システムの販売やレンタルを取り扱っています。


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