フロントガラス製造ラインの効率化を支える真空ソリューション

ドイツ・ライガルテン 大手ガラスメーカーFuyaoグループのFuyao Europeは、ドイツのラインガルテンを拠点とし、自動車のフロントガラスを製造しています。仕上げの組立工程でフロントガラスの保持に必要となる真空供給に、同社は、効果的かつ効率的な真空ソリューションを選択しました。Busch Vacuum Solutionsの集中真空システムは8つの製造ラインに真空を供給し、ハンドリングの安全性を支えています。
図1:Fuyao Europeの集中真空システムは8つのフロントガラス製造ラインに真空を提供しています。画像:Busch Vacuum Solutions。
図1:Fuyao Europeの集中真空システムは8つのフロントガラス製造ラインに真空を提供しています。画像:Busch Vacuum Solutions。

Fuyao Europe社は、Fuyao Glass Industry Groupのヨーロッパ現地法人です。同社は1987年に中国で設立され、自動車向けのガラスを製造しています。それらのガラスは、自動車メーカーが直接車に取り付けることができる段階にまで加工されます。25,000人の従業員を擁する同グループは、世界最大規模の自動車用ガラスメーカーの1社です。2017年に操業開始したドイツのバーデン ヴュルテンベルク州にあるラインガルテンの製造工場には、最先端の製造技術が取り入れられています。この工場の取引先は、VWグループ、BMW、Audi、Ford、Opelなど、ヨーロッパの自動車メーカーです。工場では、3交替制で24時間製造が行われています。

製造の継続的合理化に取り組む中で、CTO (最高技術責任者) のTorben Ludwig氏は常に新しい革新的な技術的ソリューションを探していました。たとえば、製造ラインの準備にあたるセットアップ時間の短縮につながるソリューションもその1つです。フロントガラスは、8つの製造ラインで製造されています。このラインの組立工程で、ガラスを保持する役目の装置に真空が利用されています。組立工程では、保持されたガラスにEPDM (エチレンプロピレンゴム) 製のシーリングや、 各種付属品などを取り付け、製品として仕上げます。

フロントガラスの形状は、ブランドや車両モデルのシリーズによって異なります。そのため、保持装置もそれぞれの形状にあったものが用意されており、製造する製品が入れ替わる際、保持装置も入れ替える必要があります。以前は、この保持装置に直接真空ポンプを接続していたため、装置を替えるたびに真空ポンプを接続しなおしていました。
この作業を簡素化、迅速化するソリューションとして、Buschは集中真空システムを提案しました。現在、集中システムは8つすべての組立ラインに真空を供給しています。保持装置への接続部はクイックリリース機能を備え、脱着はワンタッチです。集中化により、大幅な省エネにも成功しました。CTOのTorben Ludwig氏は、このソリューションの導入を決め、2019年9月より稼働を開始しました。


図2:分散型のシステムから集中真空システムへ切り替えることにより、CTOのTorben Ludwig氏は、セットアップ時間を大幅に短縮するとともに、消費電力の大幅な削減も実現しました。また、熱と騒音の発生源を製造ラインから切り離すことにも成功しました。画像:Busch Vacuum Solutions。

この導入によりセットアップ時間が大幅に短縮しましたが、それだけでなく、他のメリットもすぐに明らかになりました。以前は、定格電流2.2kWのオイル潤滑真空ポンプ8台が24時間稼働していましたが、現在運用する集中真空システムはデマンドプル型で、搭載するポンプは3基のみ。このポンプはドライ式のMINKクロー真空ポンプです。わずか3基ですが、将来的な装置やライン増設に備え、真空ポンプの性能には余裕を持たせた設計をしています。現状、一度に運転されるのは3基のMINKクロー真空ポンプのうち1基のみで足りています。需要のピーク時に2基目が起動することもありあますが、ごく短時間です。これはデマンドプル型の運用によるものです。またシステムはバッファタンクを備え、真空の需要に速やかに応えます。 

3台のMINKクロー真空ポンプのモーターはそれぞれ5.5 kWです。しかし前述のとおり実際には常時運転されているのは3基の真空ポンプのうち1基のみで、 2基目の真空ポンプが必要となるのは稼働時間の半分以下です。24時間稼働で2.2kWのモーター8基を常時運転していた以前の運用と比較し、50%以上の省エネを達成しました。

さらに、集中真空システムが別室に設置されていることもメリットの1つです。もう真空ポンプの出す音や熱が生産現場で問題となることもありません。

BuschのMINKクロー真空ポンプは、完全なドライ方式ですので、 圧縮チャンバー内にオイルなどの潤滑剤は不要です。そのため、 オイル潤滑真空ポンプと比較した場合、オイルやフィルター、シールの交換など、潤滑剤に関連するメンテナンス作業も、部品および潤滑剤の調達や廃棄にかかるコストも不要となります。 

この真空システムは冗長設計のため、 運用の安定性が十分に確保され、製造ラインの追加にも対応可能です。もちろん、システムの拡張もできます。制御システムは、3基の真空ポンプの稼働時間が等しくなるよう設計されています。 


カテゴリー
お問い合わせ
下記までお問い合わせください (Busch 日本):
+81 (0)463 50 4000 連絡先