インダストリー4.0に対応:自動制御式真空ポンプによる省エネの実現

食肉製品の総合サプライヤーであるEG Fleischwarenfabrik Dieter Hein GmbH & Co. KG(以下、Dieter Hein社)は、欧州および米国向けにソーセージ等の各種肉製品を製造、販売しています。
写真: Busch Dienste GmbH
写真: Busch Dienste GmbH

環境意識の高い企業として同社は、常に生産活動における省エネルギー、省資源に取り組んできました。このため、すでに数年前に包装機の真空供給を集中化させ、省エネポテンシャルを最大限に引き出すことに成功しました。Dieter Hein社では、ドイツの食肉加工業者として初めてBuschの新しいR 5 RA 0760 A PLUS真空ポンプを集中真空システムに採用し、さらなるエネルギー消費量の削減を実現しています。メリットはこれだけではありません。この真空ポンプには圧力制御とPLCが内蔵されているため、インダストリー4.0にも対応しています。

Fleischwarenfabrik Dieter Hein社の物語は、80年以上前に熟練した食肉加工職人であるゲオルク・ハイン氏がゲルリッツに精肉店を開いたことから始まります。ゲオルクの息子であるディーター・ハイン氏は伝統を引き継ぎ、1961年にオスナブリュックに小さな店舗を開設しました。続いて同社は1975年にオスナブリュック郊外にあるハスベルゲンに現在の食肉生産工場を建設し、さらなる発展の足がかりとします。そして1996年、ゲルリッツに第2の生産工場を開設しました。
 

Experten im Fleischverpacken - EG Fleischwarenfabrik Dieter Hein GmbH & Co. KG

図1: EG Fleischwarenfabrik Dieter Hein GmbH & Co. KG。写真: Busch Dienste GmbH


Dieter Hein社は食肉製品の総合サプライヤーとして、ミートボール、ケバブミートバーガー、クリスピースライスベーコンなど便利な調理済み食品から、生ハムや燻製などの非加熱食肉製品や七面鳥などの珍味に至るまで、卸売業者向けに食肉製品を製造しています(図1)。

ハスベルゲンの加工工場には300人以上の従業員が3交替制で勤務しており、第3シフトでは清掃が行われます。製品の包装には、計9台の自動化された深絞り包装機が使用されています。それらの包装機に真空を供給するのは、完全に自動化されたオンデマンドの集中真空システムです。まず1台の真空ポンプで包装チャンバーを低真空の45 hPa(mbar)まで予備排気します。45 hPa(mbar)に達すると制御バルブが高真空ポンプを起動させ、第2段の排気を開始します。このプロセスで包装チャンバーの真空度を3~4 hPa(mbar)まで排気します。3台目の真空ポンプは、深絞り包装工程で、シート状の包装材の熱成形に使われます。

さらなるエネルギー消費量の削減を目指した取り組みの中で、メンテナンス責任者であるトーマス・ペルケ氏とエネルギー部門の責任者であるベルント・ヴェルナー氏は、Buschの新しいR 5 RA 0760 A PLUS(図2)ロータリーベーン真空ポンプを試用することにしました。フランクフルト/マインにおけるIFFA見本市で業界の専門家向けに展示されたこの真空ポンプには、周波数制御モーターと集中制御ユニットが標準装備されています。R 5 0760 A PLUSは、常に圧力センサーで吸気圧をモニタリングします。そうすることで、デマンドの変化を感知し、素早く排気速度を調整することが可能になります。制御可能な範囲は35~60 Hzで、排気速度で言うと440~760 m3/hに相当します。 

 


図 2:Buschの新しいR 5 RA 0760 A PLUS真空ポンプは、パイロットプロジェクトの一部として既存の集中真空システムに設置されました。写真:Busch Dienste GmbH


2018年末、制御機能を持たないロータリーベーン真空ポンプ(排気量630 m3/h)に代わり、この新しい真空ポンプを集中真空システムに導入しました。取り外されたのは20年以上前にシステムに導入された真空ポンプで、粗引き真空を担ってきました。新しい真空ポンプは自動制御式であるため、集中真空供給の制御ユニットには接続されていません。制御システムは搭載されたディスプレイを使ってプログラミング可能ですが、ここでは必要な真空レベルを45 hPa(mbar)に設定するだけで機能するのです。

新しい高機能な真空ポンプは、わずか数週間の稼働で真価を発揮しました。以前設置されていた集中真空システムでは、真空ポンプが複数の包装機で生じた突発的な高排気量の要求に対し、真空供給後に停止した状態になっていると、その後の粗引き運転で不具合が生じる傾向がありました。結果として制御機能を持たない真空ポンプを再起動するところから始めなければならず、最大排気量である630 m3/h到達に余計な時間がかかりました。一方、新しいR 5 RA 0760 A PLUSでは、35ヘルツの速度が保たれます。この速度での真空ポンプの消費電力は、設定された真空度を維持した状態で、定格モーター出力である18.5 kWの60~70%程度です。そのため、複数の包装機が同時に同じ速度で稼働開始した場合に、必要な排気速度が急増したとしても、R 5 PLUSは直ちに反応し、最大120%まで出力を上げ需要を満たすことが可能です。

ベルント ヴェルナー氏は、記録されたデータを7.5 inのディスプレイでいつでもモニタリングすることができます。ヴェルナー氏はモニタリングによって、R 5 PLUSの稼働が平均して最大能力のわずか60%程度であることを再認識しました。設定した真空レベルをキープするための、消費電力は定格出力の60~70%のみです。ということは、実際の消費電力は約6~8 kWという計算になります。省エネを確実に達成するためには、このような数値を常に監視できるディスプレイが有効です。もちろん、モニタリング機能が包装の質やサイクルタイムに悪影響を与えることはありません。このほか、統合されたPLCにデータが恒久的に保存されるため、長期間にわたって記録されたデータを分析することもできます。データは表形式またはグラフ形式で随時印刷できます。ベルント・ヴェルナー氏は、ポンプを稼働させてまもなく「ほとんど音がしない」という別のメリットにも気付きました。具体的な数値で表すと、この真空ポンプの騒音値は最高速度での稼働時でもわずか70 dB(A) です。

Dieter Heinのエネルギー担当マネージャーとして、ベルント・ヴェルナー氏はこの試用結果に大変満足しています。このポンプは省エネの実現のみならず、包装機の需要に的確に対応します。またデータを内蔵PLCに記録し、包装機のPLCや制御ユニットにそのデータをリンクします。 


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