包装プロセスにおける大幅な省エネ

モールブルク(ドイツ) 新鮮で手軽に食べられるサラダ、野菜、ハーブ、カットされたばかりの新鮮なフルーツは、Gartenfrisch Jung 社の製品の一つです。長い伝統のある同社は、その品質と実績が評価され、ドイツの生鮮食品を使ったコンビニエンスフード市場をリードする企業へと成長しました。2019年初頭に同社がBusch Vacuum Solutionsの集中真空システムを導入すると、トレーシーラー包装機で利用する真空供給のエネルギー効率が格段に向上しました。
図1: トレーシーラーでコンビニエンスフードを包装するために使用される12本ラインのうちの1本。右画像: Busch Vacuum Solutions
図1: トレーシーラーでコンビニエンスフードを包装するために使用される12本ラインのうちの1本。右画像: Busch Vacuum Solutions

Gartenfrisch Jung 社は、バーデン=ヴュルテンベルク(Baden-Württemberg)州の町ヤクストハウゼン(Jagsthausen)にある最新施設で、コンビニエンスフードを製造しています。また同社では、オールシーズンで新鮮な農産物を供給できるよう、ドイツとポルトガルで自社栽培を行っています。2つの異なる気候帯で栽培しているため、年間を通して全製品を供給し、ドイツのスーパーマーケットチェーンやディスカウントストアを通じてエンドユーザーに販売することができます。トレー容器に盛った調理済み(ready-to-eat)サラダを、自社ブランドやOEMしている他社ブランドラベルを付け包装しています。Gartenfrisch Jung 社の歴史は、1795年にまでさかのぼります。小さな農地で始まった事業は、今では統合的な生産管理を行う野菜の生産者、そしてそれを加工する企業に姿を変えました。Gartenfrish Jung 社は家業として代々受け継がれています。年月を経て着実に蓄積されてきたノウハウは、同社の発展を成功へと導き、製品の高い品質基準を実現することができました。今日、Gartenfrisch Jung 社では毎日120トンの食材を加工しています。これは、2000枚のパレットを使い、80台の冷蔵車でお客様に届ける量です。

調理済み(ready-to-eat)サラダ(図1)を12の包装ラインのトレーシーラーでパックします。以前は、各ラインの包装機に1台ずつロータリーベーン真空ポンプが搭載されていましたが、2台の真空ポンプを使っている包装機も1基ありました。これら13台の真空ポンプを使用して、シーリング前にトレーを所定の真空レベルまで排気させていました。12本の包装ラインは、すべて2交代制で稼働しています。真空ポンプも休暇を除き毎日絶えず稼動します。第2シフトが終わると機械を止め、設備の手入れをします。
室温を5~6℃に冷やさなければならない生産エリアで、13台の真空ポンプからの排熱が空調の負担となっていました。そこでGartenfrisch Jung 社の技術責任者 Jochen Neff 氏は、新しい真空供給方法を模索していました。さらに、真空ポンプのモーター出力は50キロワットを超えていました。Busch Vacuum Solutionsの真空スペシャリストが状況を分析し、生産エリア外の室温調整不要な部屋に設置可能な集中真空供給を提案しました。

使用する真空ポンプについては、Gartenfrisch Jung 社のコンビニエンスフード類の包装に最適な真空レベルが400 hPa (mbar) であることから、MINKクロー真空ポンプをお勧めしました。このタイプは他のどのような真空ポンプよりも効率に優れます。それは、真空ポンプ内部の可動部が互いに接触することのない、非接触方式の動作原理によるものです。作動流体としてオイルを使用する場合に発生するメンテナンス作業が、全て不要となります。
Buschは、周波数制御された3台のMINKクロー真空ポンプを使用した真空システムを設計しました(図2)。各ポンプには定格出力8キロワットのモーターが搭載されています。ただし、3台の真空ポンプのうち1台だけはスタンバイ状態となります。それでも3台の真空ポンプの稼働時間が等しくなるよう、制御システムでプログラムしています。


図2: 2つのバッファタンクを背景に、MINKクロー真空ポンプ3台を搭載した組立中の真空システム。右画像: Busch Vacuum Solutions

真空ポンプのうち2台が60ヘルツ、つまり最大出力で稼働すると仮定した場合、真空供給の集中化により、搭載されているモーター定格の合計容量を50.2から16キロワット(図3)まで低減させることが可能になります。これは68%の省エネに相当します。しかし Jochen Neff 氏は、実際の使用では2台のMINKクロー真空ポンプのうち1台のみが常時使用されており、しかもこのポンプは回転数を下げて動作する傾向があることを発見しました。Jochen Neff 氏が数ヶ月間の運転で測定した結果、真空供給の平均消費電力は4kWhでした。これは主に、12本すべての包装ラインが常に最高速度で稼働しているわけでも、すべての機械が常時使用されているわけでもないという事実に関連しています。ということから、デマンドコントロールの利用で回転速度を調整し出力を抑えるシステムになっています。つまり、実際に必要なだけ性能を発揮するのです。これにより真空生成にかかるエネルギーを実質90%以上削減していることになります。


図3: 分散型および集中真空供給のエネルギー消費量の比較。右画像: Busch Vacuum Solutions 

新しい集中真空システムは、2019年4月の導入以来、稼動を続けています。このシステムは、張り巡らされた配管で包装機と接続されています。上流には容量1,500リットルのバッファタンクが2基あり、包装サイクルで必要となれば直ちに包装チャンバーを所定の真空度まで排気します。それまであった13台の真空ポンプを生産エリアから撤去したことで、空調システムへの負担が軽減されました。空調を弱めても、室温を5~6℃に維持できるようになったのです。空調出力の低下によるエネルギーコストの節約は、まだ測定されていません。しかし一般的には、この変更により空調システムが消費するエネルギーが大幅に削減されたと考えられます。 

真空システムは冗長設計であるため、生産および包装中にMINKクロー真空ポンプを個別にメンテナンスすることができます。MINKクロー真空ポンプは、ほぼメンテナンスフリーです。必要な保守は、予防保全として年に1回ギアオイルを交換するのみです。この作業はBuschのサービス技術者が行っています。Jochen Neff 氏は、集中真空システムの採用で、コンビニエンスフードの包装に必要な真空供給をエネルギー効率と信頼性の高い経済的なものにしました。


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