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図1:チーズを真空包装することにより、味、外観、品質を損なわずに消費期限が延長されます。www.iStock.com – ShotShare。

チーズを完璧に包装 - 新鮮さと優れた品質の維持

チーズの真空包装

包装プロセスにおいて真空や保護ガスを使用することは、現在最も一般的な衛生的包装の方法の1つとなっています。
真空包装された食品は、防腐剤がなくても消費期限が長くなります。
消費者にとって魅力的な、小分け包装の食品。真空と保護ガスはいずれも、パッケージ内の酸素に依存する微生物の活性を低下させます。そのため、真空包装された食品は、防腐剤がなくても消費期限が長くなります。真空包装にはさまざまな種類があります。チーズの場合、真空包装の種類はチーズの種類によって大きく異なります。

一般的に、微生物はチーズ製造において重要な役割を果たします。しかし、チーズを包装する場合には、チーズを劣化させる可能性のあるこのような微生物を完全に防ぐことが目的となります。水分の少ない(56%未満)ハードチーズはカビが生えやすい傾向があり、一方、ソフトチーズはバクテリアの影響を受けやすい傾向があります。チーズの種類によっては、チーズ内の脂肪が酸素に触れて酸化することで悪臭を放つようになるものもあります。そこで、包装によってチーズを微生物から保護することにより、味、外観、品質を損なわずにできるだけ長い消費期限を実現できるという優れたエビデンスがあります。つまり、チーズがパッケージ内で周囲空気にさらされないようにすることが重要だということです。

真空包装による消費期限の延長

あらゆるタイプの真空包装では、パッケージそのものから、周囲空気とほとんどの酸素が抽出されます。これにより、チーズ中の好気性微生物の活性を最小限に抑え、包装されたチーズの消費期限を大幅に延ばすことができます。しかし、消費期限の長さに重要な役割を果たす要因は他にもあります。特に、チーズの原材料と保存温度は消費期限に影響を与えます。水分をほとんど含まないハードチーズの場合、真空包装によって消費期限が2週間から最大10週間にまで延長されます。ソフトチーズの大気における消費期限は8日間程度です。真空または保護ガスを使用した包装を利用すると、品質に影響を与えることなく、この期間を最大3週間延長することができます。

真空包装には、消費期限の延長以外にも次のようなメリットがあります。
  • 食品の味、匂い、見た目が変化しない
  • 接触および汚染からの保護
  • 乾燥の防止
  • 保存や陳列方法の幅が広がる
チーズに使用できる包装にはさまざまな種類があります。条件に応じて、真空包装、または空気を除去し保護ガスを充填した包装方法が使われます。このプロセスは、パッケージ内の大気をガスまたはガス混合物に置き換えるものです。一般的には、プラスチックバッグ、成形済みトレー、またはプラスチック製のヒートシール材が使われます。包装の品質つまり、チーズの消費期限と品質の維持には、最適な包装タイプの選択に加えて、使用する真空ポンプのタイプが決定的な意味を持ちます。チーズやパッケージの種類により、包装プロセス中に真空レベルを最適に調整する必要があります。真空ポンプの到達真空度が高いほど、パッケージ内の真空度を厳密に設定することができます。例えば最新のロータリーベーン真空ポンプの到達真空度は、0.1 hPa(mbar)に達します。これは、海面気圧の1/10000の圧力に相当します。

チーズ用の気密シーリング

真空ポンプは、包装チャンバーを所定の真空レベルまで排気します。チーズの場合、通常100~300 hPa(mbar)となります。真空を利用した最新のテクノロジーにより、チーズを変形させることなく、ガスを封入した状態で包装することができるようになりました。実際の排気プロセス、つまり包装室内の空気を吸い出し、その後ガスを封入し密封するプロセスは、どのタイプの包装でも基本的に同じです。食品は、バッグやフィルムで覆われた成形済みトレーに入った状態で包装チャンバーに入れられます。その後、真空ポンプで空気を吸い出します。このとき、空気中の酸素も包装チャンバーおよびパッケージそのものから排出されることになります。所定の真空度に到達したら、包装材の口を合わせます。次に包装チャンバーを通気し大気圧にすることで、包装フィルムが包装された食品にしっかりと押し付けられます。保護ガスを使用する場合は、包装チャンバーの空気を排気した後、保護ガスが充填されます。空気の代わりに保護ガスを入れることでチャンバーを大気圧にし、その後包装を密封します。

保護ガスを使用することにより、チーズはパッケージ内でも成熟し続けることができます

多くの場合、二酸化炭素(CO2)と窒素(N2)がチーズ包装の保護ガスとして使用されます。ハードチーズの場合は、可能な限り長い消費期限を確保するために二酸化炭素のみが使用されます。他の種類のチーズの場合、二酸化炭素の量は20~40%程度です。混合ガスの残りの成分は通常は窒素となります。包装に保護ガスを封入すると、包装内の空間が広くなり、チーズは呼吸することもできるため、さらに成熟が進み風味が増します。スライスチーズの場合は、包装フィルムが圧着されるタイプの真空包装ではないので、空気の除去はもっと簡単です。

包装における真空ポンプの役割

包装の種類や包装する食品の種類にかかわらず、真空ポンプは常に同じ働き、つまり包装チャンバーから空気を抜くために使われます。真空包装が始まって以来、これにはオイル潤滑ロータリーベーン真空ポンプが使われてきました。1963年、Busch Vacuum Solutionsは、このアプリケーションに特化して開発された初のロータリーベーン真空ポンプを市場に投入しました。この真空テクノロジーは長年にわたり継続的に改良され、現在もBuschのR5ロータリーベーン真空ポンプは真空包装向けに最先端テクノロジーを提供し続けています。
Buschは、現在も真空包装の最先端テクノロジーを提供し続けています。
信頼性と耐久性に加えて、高い水蒸気耐性も特徴となっています。真空ポンプの水蒸気耐性は、包装された製品の品質に直接影響します。水蒸気耐性とは、包装チャンバーからの排気に含まれる水蒸気が、ポンプ内で凝縮したり排気時間に会い影響を与えることなく、どれだけ真空ポンプで吸引できるかを示すものです。各種チーズの水分量は、ハードチーズの56%からクリームチーズの80%まで、非常に高い数字です。排気プロセス中に一定の真空レベルに到達すると、チーズ上またはその内部の水分が蒸発し始め、真空ポンプがベーパーの形態でそれを吸引しなければならなくなります。性能の低い真空ポンプを使用した場合、この状況に対処できず、排気時間が大幅に長引く可能性があります。そのように排気時間が長くなると、チーズから水分が抽出されることになり、製品の品質に悪影響が及ぶ恐れがあります。

そのため、水が蒸発したり、ガスがチーズから逃げてしまう前に必要な真空レベルを達成するためには、低圧で十分な排気速度を得られる真空ポンプが不可欠です。さらに、真空ポンプは、冷却された空間で使用する場合でも真空ポンプの性能や寿命に悪影響を与える水蒸気がポンプ内部に結露しないレベルの動作温度に達するよう設計すべきです。真空ポンプの適切なサイズ選定と制御システムへの統合には、包装プロセスの正確な分析が必要です。